書評/映画評

嘘を愛する女 〜 「忙しい」と大切なものを失う

映画『嘘を愛する女』を見た。

予告編からのイメージでは、何か怖そうな映画と思ったが、
良い意味で裏切られた。

「忙しい」と書いて「心」を「亡」くす。

「忙しい」「忙しい」と言うと、
心が亡くなるなので「忙しい」という言葉は、言ってはいけない!
というのが、私の口癖でもあります。

この映画は、それを改めて強く確認させらます。

食品メーカーに勤める由加利(長澤まさみ)は、
人気の商品を開発し、「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」に
選ばれ、多忙を極めていました。

そんなさなか、
5年間同棲してた、桔平(高橋一生)がクモ膜下出血で倒れます。

それがきっかけで、
職業も名前も全てが嘘であると判明。

果たして、桔平の正体は・・・。

一件、ミステリー仕立てになっていますが、
私としては、忙しく仕事をすることで、「心」を「亡」くしていた!
それによって、「大切なものを失いますよ!」
という部分に強く共感するのでした。

桔平の正体を探して、瀬戸内の島をめぐるシーン。
ロードムービーの的なおもしろさがあります。

そして、探偵役の吉田鋼太郎が実にいい味を出しています。

オリジナルの優れた映画企画を募集した
「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」の第1回で
グランプリを受賞した企画を映画化した本作。

非常によくできたシナリオ、ストーリーだと思いました。

忙しく働く仕事人にとっての「癒やし」「心のよりどころ」とは
何かを、深く考えさせられます。

桔平の「正体」ら、もう少しパンチがあれば文句なしなのですが、
ある意味、別に意味で「意外な」ラストになっています。

『嘘を愛する女』公式サイト
https://usoai.jp/



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