書評/映画評

ひとりでも夢は実現できる

世の中、「協調性がない人」というのがいます。

会社でうまくやっていけない。
相手に合わせるのが下手。
他人に対する気遣いができない。

まさしく、私もそんな一人です。

もし、私がサラリーマンとして会社に就職していたら、
職場の仲間と協調することができず、
言うことだけは偉そうなので、上司の反感をかい、
どこかに左遷されていたことでしょう。

私が今、そこそこ、うまく行っている理由。
それは、「ひとり」でやっているからです。

伊藤丈雄さんの
新刊『自分を輝かせる「ひとり力」のススメ』を読んで、
自分も「ひとり力」で生きてきた人間として、
大いに共感しました。

伊藤丈雄さんはミュージカル俳優として
劇団四季に所属しながらも、
エキストラ役しかもらえなかった苦労時代を経て、

「やりたいことを一人でもいいからやろう!」と
始めた「一人ミュージカル」で、
現在成功を収めています。

彼の売れない時代の話や、
子供時代の「ひきこもり」の話など、
普通はあまり話したくない、
ネガティブなエピソードが自己開示されているのには、
驚きました。

でも多分、
同じようなことで苦労されている人は多く、
共感する人も多いのではないでしょうか。

サラリーマンで「協調性がない人」。
それだけで、職場では「ダメ人間」の
レッテルを貼られますが、

独立して一人でやると、
ものすごく成功したりするのです。

しかし、世間一般常識から考えると、
「協調性がないダメ人間」は、
社会の落ちこぼれのように扱われる。

私の精神科医の経験からいっても、
すごい能力を持っているにもかかわらず、
コミュニケーション力不足から職場に順応できず、
メンタル疾患になる人もたくさんいます。

この本では、
「ひきこもってもいいんだ!」
「無理してつながる必要がない!」
「一人でも自分らしく生きよう!」
「一人でもいいんだ!」という
強烈なメッセージを発してくれます。

世の中、SNSが全盛で、
「人とつながっていないといけない」的な
「つながり」の押し付けが流行っていますが、
はっきりいって、

つながり方が間違っている人が多すぎるのです。

この本では、
「無理してつながる必要がない!」と名言しているように、
「無理してつながる」「無理して、人に合わせる」ことよりも、
一人でもいいからと「自分らしく生きるよう」
というメッセージを伝えています。

やりたいことがあれば、
組織に所属したり、他人の力を借りないで、
一人でやってしまえばいいのです。

例えば、
「本を書きたい!」と思うのなら、
本を書いてしまえばいいのです。

本が一冊できあがれば、
意外と、その本を出したいという出版社が現れて、
出版のチャンスがつかめたりする。

一文字も原稿を書かない状態で、
自分が出してくれる出版を探しても、
どこも相手にしてくれません。

「ミュージシャンになりたい!」と思えば、
路上ライブをはじめればいいわけで、
一人でも始められることは、たくさんあります。

私も、そんな感じで、「ひとり力」を使って、
「ひとり」で切り開いてきた人間なので、
この本の内容には強く共感するのです。

ということで、
#会社や組織でうまくいかない人
#人に合わせることに疲れた人
#コミュニケーションが下手な人
が読むと、非常に勇気をもらえる一冊だと思います。

『自分を輝かせる「ひとり力」のススメ』
(伊藤丈雄著、サンマーク出版)
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