書評/映画評

生きてるだけで、愛 〜メンタル疾患を疑似体験する

魂を揺さぶられる映画・・・ついに来た!
『生きてるだけで、愛』。

この映画は見ると、
ものすごく苦しくなるので注意が必要です。

メンタル疾患の苦しみ。
そしてメンタル疾患に寄り添う苦しみ。

この映画を通して、
私たちはそれを追体験するからです。

冒頭の10分。
双極性障害の病気がよくならないことに苛立つ寧子が
恋人の津奈木に、その苛立ちをぶつけるシーンは、
見ているだけで苦しくなり、思わず席を立ちたくなるほどです。

しかし、こうしたやりとりは、
メンタル疾患の患者と家族の間で幾度となく繰り返される日常。

それが、ものすごいリアリティで描かれているので、
精神科医の私でも驚かされます。
よくここまで描いたものだ、と。

ではこの映画は見ない方がいいかというと、
絶対に見て欲しい映画といえます

なぜならば、メンタル疾患を乗り越えるヒントが
たくさん詰め込まれているからです。

とにかく朝起きられない寧子。
しかし、起きられるようになるのを待っていたら、
いつになるかわからない。
必死に起きようと努力するしかない。

あるキッカケでバイトをしなくてはいけなくなった寧子が、
必死に朝起きるシーンは、彼女の必死さの演技もすごいが、
それこそがメンタル疾患が良くなるかどうかの瀬戸際でもあるのです。

苦しい描写も多いのですが、後半、救われる描写が増えてきます。
彼女を支えるカフェバーの店主やバイトの仲間。
やはり、「支える」人がいて、病気の人は何とか頑張れるのです。

疾走する映像とともに、ギリギリの精神状態が描かれる
ラスト10分は圧巻。寧子は果たして病気を乗り越えることができるのか?
破滅、破局、救い?
最後のセリフに、一気に涙が流れました。

芥川賞作家・本谷有希子さんの同名小説の映画、
ということで「純文学」的な雰囲気につつまれ、
ちょっと昭和っぽい映像もいい。

主演の趣里、
そしてそれを支える菅田将暉の演技も見ごたえがあります。

2018年、ようやく出会えた「魂をゆさぶる映画」。
是非、見ていただきたい一本です。

『生きてるだけで、愛』
樺沢の評価は 堂々の ★★★★★(星5つ、最高点)

『生きてるだけで、愛』
https://ikiai.jp
とりあえず予告編を見てみる方はコチラをクリック

 

 

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