書評/映画評

メッセージ(映画)〜 本気でコミュケーションすれば、必ず伝わる!

映画『メッセージ』、すげーーー!!

ネットで流れている感想が微妙なのが多かったので、
「大丈夫か?」と心配していましたが、

一言、「傑作です!」。

ただ、マーベルのアメコミヒーローものが好きな人とか、
『インディペンデンスデイ』のような、
エイリアンとのドンパチを期待する人は、
見ないほうがいいでしょう。

どうみても、楽しめない。

一言で言うと、超硬派なSF映画です。
70年代のハヤカワSF小説的の世界。

本格的で、科学的、学術的な裏付けもありの、
未来に対する仮想シュミレーションのような、超本格SF映画。

『2001年』とか『インターステラー』とか、
SFオタクが泣いて喜びそうな、そんな作品です。

思い出せば、私も、SFオタクでした。
『スターログ』は、創刊号以外は、バックナンバー全巻持っていますので。
そんなSFオタクの人には、超間違いなくハマる一作と言っていいでしょう。

宇宙人とのファーストコンタクトの物語なのですが、
一見「言語」をテーマにしていながら、実はそうではない。

「言語」を超えた、その先の「コミュケーション」が描かれていきます。

「コミュケーション」とは、何ぞや? ということ。
「コミュケーション」、そしてその反対のコミュケーション不全。

いろいろ考えさせられる映画ですが、
「言葉なんかどうでもいいから、必死にコミュニケーションすれば伝わるよ」的な
部分に、精神科医の私としては、強烈に共感し、感動しました。

私の中では、本年度の映画ベスト5には入りそうな傑作映画です。

追伸

感想を書いたブログなどをいくつか読むと、
「原作には描かれていた◯◯が描かれていない」
という批判が多く書かれていましたが、

私は原作は読んでいないのですが、
そこに指摘されている内容は、完全に描かれていると感じました。

もちろん、「言葉」では描かれていないけども、
「言葉」を超えた、非言語的なメッセージとして描かれているわけで、
言葉による説明がない部分、観客はイメージを膨らませて、
裏のテーマを想像していかなくてはいけない。

ラストのあたりで「?」がいくつか出るわけですが、
小説は言葉で解説している一方で、
映画では映像といくつかの手ががりで、
超婉曲的にしか描かれていないけども、
そこを読み解いていく過程が、超絶楽しい!!
そんな作品。

原作通りに言語的に解説したら、
観客として考える余地が残されなくなってしまう。

多分、つまらい映画になったでしょうね。

ということで、
この説明不十分感が、
『メッセージ』の大きな魅力になっている
と、感じます。



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