書評/映画評

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 〜 信念のために命を賭けられるか?

ペンタゴンペーパーズ

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
魂を揺さぶられました!!

 

国家秘密文書を掲載すれば、会社倒産&逮捕の危機。
そんな犠牲を払ってでも、「報道の自由」を主張し、
ベトナム戦争をストップさせるべきか。

 

究極の選択を迫られる「ワシントンポスト」社主の
キャサリン(メリル・ストリープ)は、果たしてどう決断するのか?

 

これほどの超骨太な社会的、
政治的テーマを手に汗握るエンタメで演出できるのは
スティーブン・スピルバーグ監督しか出来ない凄技です。

 

メリル・ストリープとトム・ハンクス、ハリウッドの
二大巨頭の演技対決も凄いですが、
私はやはりストリープに軍配を上げます。

 

1971年といえば、
アメリカではまだ女性が第一線で働くことは難しかった時代。

 

そんな時代に、大手新聞社の社主を勤めた彼女の心労たるやいかに。
そしてその役を、ハリウッド映画において、「働く女性」を演じ続け、
女性の権利、ウーマンリブ映画の先導者である
メリル・ストリープが演じることの意味。

 

ニクソンが失脚し、ベトナムから撤退する。
そして、働く女性の時代へと転換する
アメリカの歴史的瞬間を見事に切り取った作品。

 

私も情報発信者として、
「ここまで書いていいのか?」と迷うことがあります。
しかし、全身全霊、「一字一句」に命を賭けて発信している。

 

その意気込みはありますから、本作の「報道の自由」「真実を歪めない」
というテーマは、もの凄く共感するとともに、
「報道の自由」を守ったり、「真実を歪めない」ことの難しさも
痛いほどよくわかりました。

 

クライマックスで、記事を掲載すべきか、やめるべきか。
議論が紛糾します。

 

みんな一人ひとり意見が異なります。

 

自分の仕事のプロフェッショナル根性をもとに自分の意見を言います。
記者は、記事掲載に命がけで、記事が載らなければ会社を辞めると言います。
法律家は、ギリギリのラインで、違法にならないよう、
法律の網の目を探っていく。
プロ根性とプロ根性のせめぎ合い。

 

日本だとどうでしょう。
まず、自分の「身の保身」。会社の安全。
冒険はしないで、無難な選択をする人がほとんどではないでしょうか。

 

これを見ると、やはりアメリカは自由と正義の国だ
と思います。

 

信念を貫くためには手段を講じない。
凄さであり、恐ろしさでもあります。

 

あるいは、経営者として、会社や従業員を守るのか。
自由や正義、信念を貫くのか、という問題も非常に重たい。
自分にとって何が重要なのか。価値観を明確に持っていないと、
本当に重要な判断はできないのか、
という「決断」のテーマも非常におもしろい。

 

最後に社主のキャサリンが決断します。
彼女の決断に・・・
そして飄々とした彼女の素振り(演技)に泣けました。

 

最近のスピルバーグ作品の中では、ダントツの1位。
社会派映画が好きな人は、見ないと損をする一本です。

 

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』公式ページ
http://pentagonpapers-movie.jp/

 


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