精神医学心の話

100歳以上、生きる方法

今日は名古屋に来て、「日本老年精神医学会」に出席しました。
認知症や老化についての、最新の研究、知見をインプットしました。

本日聞いた話の中で、「百寿研究」の話が、
ものすごくおもしろかったのでシェアしたいと思います。
 
百寿者というのは、
100歳以上生きている、非常に長生きの方のこと。

本日、百寿者の疫学、脳の病理所見、心理認知的特徴について、
日本最先端研究の発表が聞けました。

つまり、こうした研究を進めることで、
「どうすれば100歳以上、生きられるのか?」
がわかってくるのです。

昨日、たまたま、編集者とベストセラー本
「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」をネタに
「これからは100歳以上生きる時代になる!」
という話で盛り上がったところだったので、
本日この話を聞けたのは、偶然とは思えない一致。

というか、もの凄い引き寄せを感じます、

男性が生まれてから、100歳まで生きられる確率は1・7%。、
女性が生まれてから、100歳まで生きられる確率は7・4%といいます。
(厚生労働省発表「簡易生命表」)

この数字を見ると、自分はとうてい100歳まで
生きられないと思うかもしれませんが、
私は、自分が100歳まで生きられると確信しています。

なぜならば、上記の確率は、
今後の医学や医療の進歩などは加味されてないからです。

現在、再生医療などの医療がものすごく進歩していて、
これからの10年で、平均寿命が10年近く伸びる
という予測もあるほどです。

「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」によると、
ある科学的な方法によって算出した予想値によると、
今年生まれた新生児が、100歳まで生きられる確率は、
50%だそうです。

すごい高い確率だと思います。

これからは、
100歳まで生きられる時代に突入します。

しかし、そうはいっても、
100歳まで生きる人もいれば、
60歳で死ぬ人もいるし、
長生きでない人はいるわけですね。

では、その違いは何なのか?

その違い、知りたいですよね。

本日聞いた、「百寿研究」の話から要点をまとめますと、
100歳以上生きている人の共通点は

(1)認知症がない。もしくは、あっても軽度
 
(2)糖尿病がない
 
(3)運動能力が高い
 
(4)認知的脳活動をしている
 
(5)幸福度が高い

の5点です。

(1)認知症がない。もしくは、あっても軽度

アルツハイマー型認知症を発病すると、
かなりの速度で進行し、ある程度進行すると、
脳の運動野を障害するので歩けなくなる。
結果として合併症で死んでしまう。

認知症にならないことが、長生きの秘訣です。

認知症の予防。
学術的に有効とされる唯一の方法が有酸素運動です。

週2時間の運動で、アルツハイマー型認知症になる確率を
3分の1まで減らせます。

(2)糖尿病がない。

糖尿病になると、動脈硬化が猛烈な勢いで進みます。
動脈硬化=老化、と考えていいでしょう。

動脈硬化が進むと、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが猛烈に高まり、
とうてい100歳まで難しい。

ということで、糖尿病にならない食生活。
これが、長生きのためには重要となります。

ちなみに、日本人の3分の1は、糖尿病予備群と言われますから、
要注意です。

(3)運動能力が高い

運動能力が高い。
きちんと「歩ける」。身の回りのことを自分出来る。
そうした能力が維持されることが、長生きの秘訣です。

歩けなくなると、寝たきりになります。
寝たきりになると、肺炎などの合併症が起こります。

とにかく、歳をとっても運動能力を維持する、ということ。
そのためには「運動」です。
 
それも、歳をとってから運動習慣を身につけることは難しいので、
若い頃から運動している、ということが重要です。

(1)の認知症の予防と合わせて、やはり「運動」というのは、
長生きの重要な要素となります。

(4)認知的脳活動をしている

これは、「百寿者の特徴」ではなく、
「高齢者において認知機能が高い人の特徴」
として報告されていました。

「認知機能が高い」というのは、頭の回転がいい。
「認知症ではない」という状態ですから、
間接的に「認知症にならない」条件として、意味を持ってきます。

認知的脳活動とは、

#俳句、川柳、単価などの創作活動
#将棋、囲碁
#読書
 
などが挙げられていましたが、
特に「俳句、川柳、短歌などの創作活動」に優位差が認められていました。

これは、「創作活動」ということですが、
私は、「考えて書く」ということだと思いますので、
「文章を考えて書く」のも同様の効果があると思います。
 
「退職したら、のんびりとくらしたい」と言う人は多いですが、
毎日、のんびりと暮らしていたら、認知症に向かって一直線です。
 
「頭を使う活動を続ける」ことが、認知症の予防につながり、
「長生き」にもつながる、ということです。

(5)幸福度が高い

これは、「百寿者」ではなく、
90代まで生きた人の特徴として
報告されていました。
 
幸福度が高く、笑顔が多い。
感謝や、利他の傾向が強い。

ということです。

これは、ポジティブ心理学でも言われることですが、
ネガティブ思考よりも、ポジティブ思考の人の方が
5歳以上、長生きする、という研究があります。
 
ポジティブな思考で、毎日明るく、前向きに生きる。
細かいことを気にしたり、クヨクヨしない。

そうして、心のあり方も、「長寿」と深く関係しているようです。

ということで、
本日、日本の最先端研究の話をもとに
「100歳以上、生きる方法」をまとめてみました。

『神・時間術』でもしつこく書いたように、
脳を活性化するには、運動しかないのです。

運動によって、脳を活性化する。
そして、筋力も維持されて、歳をとっても闊達(かったつ)でいられる。

長生きしたい人は、「運動」を続けてください。

追伸

100歳まで生きる時代に備えて、何をすべきかがわかる本。
骨太ですが読んで欲しい一冊。
 
『LIFE SHIFT(ライフ・シフト) 100年時代の人生戦略』
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