精神科医の悩み相談室

うつ病はセロトニンが下がる病気ではない!? 〜精神科医の悩み相談室

【質問】

ものすごく簡単に書きます。うつ病や、統合失調症の原因は、
神経伝達物質の分泌異常と言うよりも、
受容体が伝達物質の量に合わせてアップやダウン出来ない
病気じゃないのかと思いますがどうですか?
(職業指導員さん、33才、男性)

【回答】

非常に高レベルな質問、ありがとうございます。

私の動画や本で、うつ病はセロトニンとノルアドレナリンが
下がる病気。統合失調症はドーパミンが過剰に分泌する病気と
シンプルに解説していますが、
実際はそんな単純な問題ではありません。

例えば、うつ病の場合、セロトニンが少なくなることで、
受容体の感受性や受容体の数自体が変化し、
本来ならそれらを正常に戻す力(神経可塑性)があるのに、
それを発揮できなくなっている。

さらに、セロトニンを調整する
ノルアドレナリンの分泌や受容体にも変化が起きてくるなど、
ものすごーーーーく複雑なのです。

ですから、ご指摘のように「受容体が伝達物質の量に合わせて
アップやダウン出来ない」状態にあるのは正解ですが、
その前に「神経伝達物質の分泌異常」が先にあると考えられます。

私は、「精神科医、心理学、脳科学を”わかりやすく”伝えることで、
メンタル疾患の予防を実現したい」というビジョンを持っています。

神経伝達物質に関して、科学的に正確に解説すると、
患者さんには理解不能な世界に入ってしまうので、
そこまで知らなくてもいいんじゃないのか、
というのが率直な感想です。

メンタル疾患と神経伝達物質の関係について、
詳しく知りたい場合は、ネットで検索すると
大学の先生が解説した専門的なページがいくつも出てきますので、
読んでみるといいでしょう。

正直、難解です。

 

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