書評/映画評

これが常識になれば、日本は変わる!  ~ 『生産性 ─ マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』

伊賀泰代さんの『生産性』を読了しました。

かなりのベストセラーになっているようで、
書店のビジネス書のコーナーに、今でも積み上げられています。

実はこの本を買ったのは、去年の12月でした。
読み終わるのに、なぜこんなに時間がかかったのか?
 
それは、その頃、『神・時間術』の原稿を書いていたからです。、

私は、本の執筆をしているときは、
内容と関連した本は一切読まないようにしています。
その本の影響を強く受けてしまうからです。

『神・時間術』の、重要なテーマは、「効率化」であり
「生産性」をいかに上げるのか、です。

つまり、この『生産性』の本と、かなり内容がかぶるので、
影響されないように読まないでいた、ということです。

さて、『神・時間術』も出版されましたので、
安心して読める状態になりましたので、
じっくりと読んでみたわけです。

『神・時間術』が、個人のレベルで生産性をいかに高めるのかを
追求した本であるのに対して、
『生産性』は、企業、組織のレベルで生産性をいかに高めるのか、
を徹底追求した本でありました。

私は、10年前から、

日本の生産性を高めることが、
日本人の自殺率を減らすために必須である、
生産性を高めることが、
日本人が幸せになるために必須の方法である
  
ということを言い続けてきました。
本にも何度も書いています。

しかし、ここ10年、
「生産性」についての本というのは
ほとんど出ていないのです。

日本が先進国最低の生産性の低い国であることも、
ほとんど知られていませんでした。

それが、伊賀さんの『生産性』が出版されてから、
ブログやニュースなどの記事でも
「日本が先進国最低の生産性の低い国」という記述を
ちょくちょく見かけるようになり、

「日本人の生産性についての関心が高まりつつある!」
という意味で、日本の働き方が変えるかもしれない、
 
そんな、凄い影響力を持った本といえます。

ただ一つ、注意すべきは、
普通のサラリーマン、平社員がこの本を手にとっても
あまり役立てることはできない、ということです。

この本は、
「企業、組織のレベルで生産性をいかに高めるのか、
 を徹底追求した本」
ですから、
一番読んで欲しいのは、経営者。

そして、チームとして生産性を高める方法、
会議の生産性を高める方法なども書かれていますので、
管理職やチームのリーダークラスの人たちです。

ある程度の権限を持った人たちがこの本を読み、
その内容を会社や組織の中で実行していくとするならば、
日本人の働き方は、間違いなく変わるはずです。

マッキンゼーでコンサルタントを17年勤めた著者だけあって、
企業・組織が、生産性アップのために、何をすべきか?
という、「TO DO」を実に明確に描き出す出しています。

会社が何をわかればいいのかが、わかりやすい。
あとは、行動にうつすだけです。

生産性のアップは、「トップダウン」で行うべきか。
それとも、「ボトムアップ」で行うべきか。

間違いなく両方が必要なのです。

社長が、
「我が社には生産性の改善が必要だ!」
と、どれだけ息巻いても、社員、従業員が、
「どーでも、いいでしょ」
と思っていたら、生産性の改善は不可能です。

社員、従業員が、
「その通り、生産の改善って必要だよね」
と思わないかぎり、
社内が一丸となって、生産性改善に動き出すことはないでしょう。

社員、従業員、一人ひとりの意識改革が必須なのです。

実はそれを目的に書いた本が、私の『神・時間術』です。

会社の仕組みや制度などは関係なく、
いちサラリーマン、ビジネスマンとして、
どこまで仕事を効率化でるのか?

「個」のレベルで、どこまで生産性を高められるのか、
を徹底追求したのが『神・時間術』です。

日本の生産性革命を、
「ボトムアップ」的に起こせないのか?を
狙って『神・時間術』を書きました。

つまり、
『生産性』と『神・時間術』は、対になっているのです。

社員、従業員が『神・時間術』的な時間管理を行い、
効率化に対して意識の高まった状態で、
経営者や管理職が『生産性』に書かれた施策を
社内で実施してくと、

経営者と従業員が一致団結して、
社内の生産性のアップが、急速に進むことは間違いないでしょう。

ということで、
『神・時間術』を読んだ人は、『生産性』を読んでいただきたいし、
『生産性』を読んだ人には、『神・時間術』を読んでいただきたいのです。

この2つの本には、
ノウハウ的には同じことは書かれていませんが、
実現したいゴールは同じです。

富士山を、吉田口から登るのか、御殿場口から登るか。
同じゴールに到達するにもかかわらず、
そこから見える風景は全く違います。

それと同じよにう、「生産性を高める」という同じゴールに向かう、
全く異なる2つのアプローチの本。

『生産性』と『神・時間術』を読み比べることで、
「生産性」や「効率化」の真の意味が理解できるはずです。

『生産性─マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの』
(伊賀泰代著、ダイヤモンド社)
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