【20日間連続書評チャレンジ】第3弾は、
『メモの魔力』
(前田裕二著、幻冬舎)
実は、先日、『メモの魔力』の著者、
SHOWROOMの創業者、前田裕二さんと「対談」を行いました。
その時の様子は、改めてレポートしますが、
対談に先んじて、『メモの魔力』を読み直し、
改めて「おもしろい!」と思ったので、
『メモの魔力』を書評にまとめてみます。
■ アウトプットの横軸と縦軸
『メモの魔力』。
2019年で最も売れたビジネス書。
ちなみに、第3位は『アウトプット大全』(笑)。
総売上部数で言うと、
『メモの魔力』が約40万部に対して
『アウトプット大全』は約50万部。
負けては、いません(笑)。
『アウトプット大全』は、昨年発売なので。
別に、『アウトプット大全』の凄さを
アピールしたいわけではありません。
「アウトプット」というものが、
今、ものすごく、ものすごく注目されている、
ということを言いたいのです。
『アウトプット大全』というのは、
「アウトプットの百貨店」「アウトプットの百科事典」
のようなもので、
ありとあらゆるアウトプット術を網羅的に紹介しています。
それに対して、『メモの魔力』というのは、
「メモ術」ただ一点を、ひたすら深堀りした一冊。
徹底的にアウトプットを「広げる」ことに特化した『アウトプット大全』。
徹底的にアウトプットを「深める」ことに特化した『メモの魔力』。
アウトプットの横軸と縦軸を極めた2冊が、
2019年の代表的なビジネス書となったことは、
偶然であるはずがありません。
世の中、中途半端な本は売れないのです。
『アウトプット大全』以後、盛り上がっている
アウトプット・ブームに便乗するように、
アウトプットの本は山ほど出ていますが、
どれも中途半端なのです。
いくつかのアウトプット術について、そこそこの深さで書いている。
なので、つまらない。
2019年のビジネス書、第2位は
『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』
です。
よくこんな骨太でページ数の多い本が
ベストセラーになったものだと驚きますが、
最近は読書する人たちのレベルもあがり、
「本格的な本」でなければ通用しない。
それが、2019年のビジネス書トレンドと言えるでしょう。
■ メモ術というよりはノート術
まず、最初に『メモの魔力』を読んで思ったのは、
「メモ術」というよりも「ノート術」だよね
ということ。
前田さんのメモ術は、
ただの「箇条書きのメモ」ではなく、
相手の話などを、体系的に書いていく。
さらに、それを深める思考の経路を書き加える手法なので、
私的には、それは「ノート術」だと思うのです。
それを、敢えて「ノート術」にせずに、
「メモ術」としてまとめたところが、ベストセラーになった理由の一つでしょう。
「きちんとノートをとろう!」よりも
「まず、メモをとろう!」の方が、
はるかに敷居が低く、取り組みやすくみえるからです。
「メモの魔力」という言葉の魔力に、
多くの人が取り憑かれたようです。
■ 「抽象化」について最もわかりやすく書かれた本
『メモの魔力』の内容を一行で説明すると、
「メモを使って思考を抽象化しよう」ということです。
抽象化することで、ビジネスに応用可能な
「気付き」や「アイデア」として、幅広く転用できるようになる。
ですから、「メモ」をとることが重要なのではなくて、
そこから「断片的な情報」を再構築して、
「抽象化する」ことが重要。
ですから、「メモの魔力」ではなく「抽象化の魔力」こそが、
本書のエッセンス。
それは、前田さん本人も言っていました。
本当は、「抽象化の魔力」的な、
「抽象化」というキーワードを使いたかったが、
一般の人には理解しづらいということで、却下されたという。
この「抽象化」という言葉が、抽象的で実にわかりづらい(笑)。
「抽象化」と「具体化」。
アウトプット大全では、
「鳥の目」と「虫の目」という言葉で表現しています。
あるいは、
「抽象化のアナログ、具象化のデジタル」
を意識して、アナログとデジタルを使い分けよう、と。
「抽象化」とは、その本質やエッセンスを一言でまとめる。
全体を俯瞰しながら、その本質を見抜く作業です。
『メモの魔力』には、
抽象化とは「本質を考える」こと
「抽象化」は人間に与えられた最強の武器
「抽象化」こそがメモ術の根幹
とまで、書かれています。
具体的には、
抽象化の3類型「WHAT」「HOW」「WHY」
を使って、情報を整理していく。
前田流の具体的な方法論が詳しく解説されています。
例えば、「抽象度を高める」という話は、
苫米地英人さんの本にもよく出てくるのですが、
苫米地さんは非常に頭の良い人なので、
逆に、一般人にはわかりづらいのです。
『メモの魔力』というのは、
「抽象化」の重要性とその具体的な方法を
今までの本と比べても、
最もわかりやすく解説している一冊だと思います。
■ 知的生産性を高める方法
『メモの魔力』は、
メモのとり方を書いた本ではありません。
メモには、「記憶する」と「知的生産性を上げる」の2つの役割がありますが、
本書では後者の役割の部分のみを、強調して、深めています。
では、具体的にどのように知的生産性を高めるのか?
という問いに対し、
「ファクト→抽象化→転用」
という、明確なフレームワークを呈示しているところが、
本書の良いところです。
メモ自体を
「ファクト→抽象化→転用」
の3つのスペースにわけて書くことによって、
誰でも、知的生産性を高められる、というわけ。
「知的生産性を高める」というテーマ。
「働き方改革」で、会社だけではなく、
個人レベルでも生産性を高めることが必要
と多くの人が気付きはじめている。
そんなところも、本書がたくさんの人から
支持されている理由の一つかもしれません。
■ 自己分析なしに洞察力を高める
私の本や動画の中で「自己洞察力を高めよう」
ということを、繰り返し、繰り返しお伝えしています。
なぜならば、自己洞察力を高めると、
自分の「調子が悪い」を日々察知できるので、
メンタル疾患にならないからです。
前田さんも、自己分析を非常に重視しています。
夢をかなえるためには、自分のストーリーを語れること。
そのために、自己分析は必須
と書かれています。
本書では、巻末に
自分を知るための「自己分析1000問」
がついています。
この1000問について答えるだけで、
圧倒的に自己分析が進む、というものです。
私はまだやっていないのですが、
時間を作って、この1000問にチャレンジしたいと思いました。
■ メモで日常をアイデアに変える
20代で起業し、現在32歳。
最も注目される若手起業家の1人である前田さん。
その彼が、どこからアイデアを得ているのか?
というのは、多くの人の関心ではないでしょうか。
その答えは、そのまま第1章のタイトルになっています。
「メモで日常をアイデアに変える」。
日々の「打ち合わせ」や「雑談」。
それらのメモを、「抽象化」し「転用」することが、
前田流の仕事術である、と。
自分の接する全ての情報。
その「ファクト」をしっかりと、メモすることによって、
常に「アイデア」が生み出し続ける。
それが、前田流「知的生産性を高める方法」なのです。
#知的生産性を高めたい
#独創的なアイデアを生み出したい
#自己分析を深めて夢を実現したい
という人に、特にお勧めする一冊。
『メモの魔力』を読まずして、2019年の年は越せません。
『メモの魔力』
(前田裕二著、幻冬舎)
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