書評/映画評

ちいさな独裁者 ~後味の悪さと残虐。しかし、それは現実。

「気分悪し、後味悪し」「おぞましさ200%」「思った以上に残酷」
「人間性を失う恐ろしさ」等、ネットでの書き込みが凄まじい
映画『ちいさな独裁者』。

「後味が悪い映画」が大好きな樺沢としては、
見ないわけにはいきません。

1945年4月。敗色濃厚なドイツで、命からがら部隊を脱走したヘロルト。
偶然拾った軍服を身にまとって大尉に成りすます。
権力を身につけた若者が、その暴力性、残虐性を暴走させ、やがて・・・。

正直、暴力描写や残酷描写が嫌いな人は、見ないほうが良いでしょう。
しかし、本作では映像的な残虐性よりも、心理的な残酷さを描いています。

フツーの若者が、ここまで変貌していくのか。
(主人公のヘロルトは、当時21歳)

そして、彼に触発されて、残虐性や暴力が次々と伝染していく。
そしてそれは、戦時中に限ったことではないかもしれない・・・。

それは、人間の本性。限界状況に陥れば、
誰もがそうなるかもしれない、という危うさ。

その部分に真の恐怖があります。

これが「実話」といいますから、
こんな事が本当に起きるんだという驚きもあります。

見終わった後に気分が悪くなることは確実な、後味の悪い映画。
しかし、それは歴史上の事実。

勇気のある方は、御覧ください。

樺沢の評価は・・・ ★★★☆ (3・8)

【表紙】感情リセット

bottanrest2a

bottanrest2b

↓ 【樺沢紫苑公式メルマガ】の登録はこちらから(※メールアドレスを入力)

コメントを残す

*

CAPTCHA