映画『七つの会議』を初日鑑賞。
圧倒的なおもしろさ、そして見応え。
ドラマとしておもしろいのは当然として、テーマが深い。
毎年のよう起き続ける、大企業の不正や隠蔽。
なぜそれが起きるのか? 起き続けるのか?
という問題に深く切りこんでいる。
大企業の不正や隠蔽が起きる原因とは?
悪い社員がいて不正を行っている、わけではない。
「会社のため」を最優先するように社員教育をするから、
結果として会社を優先するような判断をしてしまう。
そんな、日本企業の「危うい」体質が、
スリリングなドラマを通して明らかにされていく。
この映画を見て思ったのは、
サラリーマンというのは、本当にたいへんだな、ということ。
平社員も大変だが、課長になっても大変。
そして、部長になると、凄い昇進のように思えるがやはりたいへん。
そして、社長になったとしても、大企業の子会社であれば、
いつまでたっても親会社に頭が上がらない・・・。
どこまで昇進しても、昇りつめても、
「楽」になることはない・・・。
この映画のおもしろさは、
それぞれの立場の人間のドラマをオムニバス的に描くことで
それぞれの部署、役職によって、違った悩み、苦しさを抱えている
ということです。
いずれにせよ、
自分には絶対にサラリーマンは勤まらない、と思った。
自分の会社で、一人社長。
上司も部下もいない。
なんと気楽な稼業だろう。
自営業は、
「自分でやったことの責任」を「自分」でとればいいだけなので、
本当に気楽である。
会社の場合は、
「部下の失敗」や「自分が関与していない不祥事」の
責任までとらされる可能性があるわけだから。
仕事とは何か?
自分らしく生きるとは、どういうことか?
仕事における倫理観、道徳観とは?
仕事と自分、どちらを大切にするべきか?
「仕事」について、いろいろと考えさせられる。
そんな機会を与えてくれるという意味でも、とても良い映画。
もちろん、エンタテイメントとしても楽しめます。
樺沢の評価は・・・★★★★☆ (4・3)