書評/映画評

世界No.1営業マンが教える やってはいけない51のこと 〜 ビジネス常識を破壊する!

なんて非常識な!!

# 5分以上面談しない!
# 努力しない
# お客様と仲良くならない
# パワーポイントを使わない
# カタログを使わない
# 自社商品を悪く言う
# 価格を教えない

それで、本当に営業になるの?

『世界No.1営業マンが教える やってはいけない51のこと』を
パラパラ読みすると、
従来の「営業常識」を完全否定する小見出しが並びます。

これで本当に営業成績が上がるのか?
と心配になるほどです。

しかし、各項目を詳しく読んでいくと、
「なるほど、そういうことか」とうならせます。

特に凄いなと思ったのは
「価格を教えない」のところです。

お客様との会話の中で、
「これいくらくらいするの?」と言われても、
正確な金額は教えてはいけない、というのです。

なぜならば、お客様との信頼度が高まっていない状態、
購買意欲が高まっていない状態で金額を示すと
「高い」と思われてしまって、それで終了となってしまいます。

購買意欲を高めるのが先。
具体的な金額を示すのは、できるだけ後に。

言われてみると確かにその通りです。

このように、この本には、
一見非常識だけども、言われてみるとたしかにその通り、
というノウハウが満載されています。
 
言うならば、
世間で言われている「営業常識」は間違っている!
ということなのです。

「お客様と仲良くならない」というのも、
かなりハッとする内容が含まれています。

営業マンとお客様は、仲良くしなった方がいいに決まっている。
雑談でお客様との距離を縮めて仲良くなる。
これが、従来の「営業常識」です。

しかし、この本では言います。
“お客様と仲良くなっているようで、
その営業マンは「息抜きの要員」にされてしまっている”
のだと。

確かに、昔、勤務医として努めた頃、
プロパー(製薬会社の営業マン)に「息抜きの要員」として
お付き合いしていた人が多かったことを思い出しました。

「友人関係」と「信頼関係」は別物。
ビジネスでは、「友人関係」ではなく「信頼関係」を
作らなくてはいけないのだと、

確かにその通りだと思いました。

「営業は考え方」と、
世界No.1営業マンである著者の財津 優さんは言います。
 
この本に書かれているのは、
「営業」職に限らず、
「お客様」と接する全てのサービス業に通じる
「お客様の関わり方」の本質が書かれている気がしました。

この本を読み始める前は、
「自分は営業とは関係ないからな」という気持ちがありましたが、

「お客様」「クラアント」、
あるいは私の場合、患者さんとのやりとりにおいても、
そのまま応用できるエッセンスが
たくさん含まれていることに気づきました。

この本には、
最短時間で最大効率を発揮する営業術であり、接客術であり、
コミュニケーション術が書かれていました。

多くの人は、「ビジネスの常識」にしばられてしまい、
ありきたりの対応しかできなくなっている。

だから、平凡な結果、売上しか出せない。

並外れた結果、トップレベルの結果を出したいのなら、
「ビジネスの常識」を破壊する必要があります。

そんな常識破壊に、
『世界No.1営業マンが教える やってはいけない51のこと』は、
間違いなく役に立つ一冊になるはずです。

『世界No.1営業マンが教える やってはいけない51のこと』
(財津優著、明日香出版社)