精神科医の悩み相談室

本を引用する方法 ・チョー簡単な著作権入門 〜精神科医の悩み相談室

【質問】

樺沢先生 いつもYouTube、メルマガで勉強させて頂いております。

そこで【情報発信がしたいです!(大学生ですが)】
の動画を見て、自分も今すぐ情報発信をしようと思いました。

本の読み方について紹介する動画を作りたいのですが、
樺沢先生のアウトプット大全をご紹介させていただいて
もよろしいでしょうか?

著作権等について心配です。
(キン肉マンさん、24才、男性)

【回答】
樺沢の本に関しては、
Facebook、Twitter、ブログ、YouTubeなどで
ドンドン紹介してください!!
ただしその場合、
「著作権法」が定めるルールに従う必要があります。

あなたが、本を読んで、
それを書評や紹介でブログをアップする場合も、
全て「著作権法」にもとづく必要があります。

まず、「著作権法」のチョー基本ですが、
「著作権法」では、「引用」を認めています。
つまり、
新聞、雑誌、本などの記事は引用していいのです!!

正しい、ルールに従う必要があります。

>著作権法

>(引用)
>第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。
>この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、
>かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で
>行なわれるものでなければならない。

ただ、これだけでは、「公正な慣行」と「正当な範囲内」が
よくわからないので、わかりやすく解説します。

 

■ルール1 引用元を明記する

まず、「引用元を明記する」ことが、「公正な慣行」です。
本文から2行引用したら、

>『アウトプット大全』(樺沢紫苑著、サンクチュアリ出版)P57より引用。

と書き加える。これでパーフェクトです。

まあ、ページ数までは入れなくてもいいですが、
最低でも

>『アウトプット大全』より引用

と書かなくてはいけません。
引用元を明記しない。
つまり、あたかも自分が書いた文章であるかのように投稿すると、
著作権違反です。
正直、ブログやSNSでも、このパターンは多いです。

 

■ルール2 自分の意見を併記する

「報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で」
というと難しいですが、
言い換えると「引用だけはダメ」ということです。

例えば、本から5行分を抜書きして、
そのままブログ記事にする。
これでは、引用元を併記しても、著作権違反となります。
「著作権法」で引用を認めているのは、
「言論の自由」を保証するためです。

つまり、報道、批評、研究など、自分の意見を述べるための、
材料、資料として引用することを認めているわけ。
つまり、自分の意見なり、コメントなり、
自分の文章がされていないといけない。

この本の内容について、私は〇〇と思う!!
それを主張するための材料として、
「引用」が認められているのです。

 

■ルール3 長文の引用はNG

例えば、『アウトプット大全』の「まるごと1章」を
自分のブログに載せて、自分の意見を述べるのはどうか?
それは、
間違いなく「著作権法」違反です!!
「正当な範囲内」を、明らかに超えています。

「正当な範囲内」が、何ページ以下、何行以下と
決められているわけではありませんが、
常識の範囲で考えてください。
通常は、自分の意見を述べるのに必要な部分、
数行程度の引用が行われるのが慣例です。

数行程度の引用文に、
「引用元」と「自分の意見」を添えて投稿する!!
引用のルールは、たったこれだけです。

以上のルールを守って、
樺沢の本をドンドン引用しましょう!!

文章に関しては、以上のルールの通りですが、
画像、写真に関しては、かなり厳しいです。
画像、写真を、許可なく、
インターネットメディアに転載すると
著作権違反になります。

また、歌の「歌詞」については、
JASRACがものすごく厳しいので、
ブログなどに歌詞を転載すると、
著作権料を請求される可能性もありますので、
載せるべきではありません。

では、本の表紙は、ブログに載せていいのか?
厳密に言えば、
著作権法に抵触する可能性はありますが、
本を画像入りでブログに好意的な紹介を載せて、
訴える出版社や著者はいません。
むしろ、出版社や著者に喜ばれます。

自分で購入した商品の写真をSNSに投稿できないとしたら・・・

洋服のデザインや柄にも著作権はありますから、
そこを言い出すと、SNSには、
素っ裸の写真を投稿するしかなくなります(笑)。

なので、購入した本や商品を自分で持って自撮りして
その写真を投稿する、というのは、
慣例上問題がない範囲と考えられます。
著作権者に対して不利益や損害を与えていなければ、
問題にはならないのです。

例えば、
『アウトプット大全』の表紙をTシャツに印刷して販売したら、
これは完全に著作権違反ですね。
ということで、きちんと常識を働かせて判断していけば、
著作権違反は、怖いものではありません。

 

 

早くも14万部突破!!
『学びを結果に変えるアウトプット大全』
(樺沢紫苑著、サンクチュアリ出版)

書店で見かけたら、是非、手にとってみてください。
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