書評/映画評

長いお別れ  ~「老い」は、マイナスなことばかりではない

映画『長いお別れ』が良かった。  

すでに1日1回上映なので、
しょうがなく11時30分からの回を鑑賞すると、
まさかのほぼ満員。
ご高齢の方だらけでびっくりしました。  

「認知症の映画」と考えると、
見たいと思う人はあまりいないでしょうが、
実際は「認知症の映画」というよりは、「家族の映画」なのです。  

山崎努が徐々に認知症を発症していくなかで、
家族の関係性が徐々に変わって行きます。

疎遠になりかけていた家族が、
父のために結集するのです。

病者を抱える家族は不幸になるイメージですが、
この映画は非常にポジティブにとらえています。

結婚発表で今話題の蒼井優の演技が素晴らしい。
認知症患者は、言語的なコミュニケーションが破綻していきますが、
感情は保たれます。

「記憶」は失われても、
楽しいことがあれば、喜び、笑う。
悲しいことがあれば、落ち込みます。

映画後半、ベランダで山崎と蒼井が並び、
蒼井が相談事を反します。

山崎は、「クリマルな」とアドバイスします。
「クリマル」という意味不明な言葉。
でも二人は、いつも以上に心を通わせるのです。

これです!
言葉が通じなくとも、気持ちは通じる!!

認知症者でも非言語コミュニケーションでつながれば、
ちゃんとつながれるんだよ! という強烈なメッセージ。

それが、山崎努と蒼井優の圧倒的な演技力により、
説得力を持って描かれるのです。  

認知症になるとものすごい不幸になるイメージですが、
山崎努に悲壮感はありません。

認知症でも、きちんと支えて、
きちんとつながれば不幸ではないのです。
それは、ただの「老い」の過程、
という圧倒的にポジティブなメッセージです。

「老い」「認知症」「看取り」「家族のつながり」など、
人によって感じるところはいろいろと異なるでしょうが、
既存の間違った認知症のイメージを切り替えてもらうためにも、
一人でも多くの人に見て欲しい映画です。

『長いお別れ』樺沢の評価は・・・ ★★★★ (4・3)

かなり評価、高いです!!

追伸
唯一、「運動」のシーンがなかったことだけが残念。
家族が認知症になった場合、家族が最もすべきことは、
一緒に散歩したり「運動」することである。

運動は、記憶障害を改善し、認知症の進行を遅くする。
軽度認知機能障害の段階であれば、
認知症の進行を食い止めることも可能なのです。

『長いお別れ』予告編はコチラ
http://nagaiowakare.asmik-ace.co.jp/

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