書評/映画評

発達障害サバイバルガイド ~発達障害かもと思ったら読む本

「発達障害かもしれません。どうしたらいいですか?」
という質問がよくきますが、
これからは「『発達障害サバイバルガイド』を読んで実行してください」
と答えることにします。

 
発達障害というのは、病院に行っても治るものではありませんので、
子供は別として、20歳、30歳以上の大人が「発達障害かもしれません」
と病院に行ってもしようがない。

おそらく「発達障害グレーゾーンですね」と言われて、
余計に不安になるだけなのです。
 
重要なのは、「発達障害かどうか」ではなく、
「発達障害にありがちなトラブルをいかに減らして、
生きやすくしていくか」
「仕事や人間関係のトラブルを減らしていくか」
ということ。

その具体的なToDoを満載した1冊
この『発達障害サバイバルガイド』です。
 
これは、「発達障害対処法大全」と呼ぶべき1冊。
私の『アウトプット大全』や『ストレスフリー超大全』は、
とにかくToDoにフォーカスして、
そのページを読み終わった瞬間から、
すぐに実行できるようにしていますが、
本書もまたToDoにものすごくこだわった本になっていて、
発達障害にありがちなケース別、
47ケースに対して明確な対処法が示されています。

とにかくすぐに行動にうつせるところがいい。
 
例えば、メモ帳が「時空の裂け目に吸い込まれる」問題。

せっかくメモをしてもメモ帳ごと紛失する問題への対処法は、
「タスクはでかいホワイトボードに全部ぶっこめ」とのこと。

確かに、幅1メートル以上の巨大なホワイトボードであれば、
さすがに紛失することはあり得ません。
 
本書は、こんな風に「ユーモア」もたっぶりに書かれていますから、
「発達障害だから」と悲観したり、
発達障害のマイナスイメージを笑いとばすような、
ポジティブなエネルギーに満ちあふれています。

メンタル疾患の本なのに、
読んでいて明るくなれるのは凄い。
 
著者は、ADHD当事者の「借金玉」さん。
自身の34年の「どん底体験」から生まれたリアル試行錯誤が、
ギュッと凝縮されている。

このリアリティというか、具体性は当事者の経験あってのもの。
精神科医や研究者には、絶対に書けません。
   
本書は、
♯実際に発達障害と診断されている人
♯発達障害グレーゾーンの人
♯自分は発達障害かも、と思っている人
♯発達障害の子供の問題行動に困っている親
♯職場に発達障害的な社員がいて困っている人

などに、明確な対処法をしめしてくれる救世主的な1冊。
 
今までも、発達障害の問題行動への対処法についての本は
たくさん出ていますが
1 ToDoにフォーカスしている(すべきことがわかりやすい)
2 図も入って直感的に理解できる(発達障害の人でも) 
3 ユーモアがあり、ポジティブである

の3点において、非常に読みやすく、わかりやすく、行動しやすい。
本当に素晴らしい発達障害対処本だと思います。
 
『発達障害サバイバルガイド
「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47』
(借金玉、ダイヤモンド社)

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コメント

  1. ムユニコ より:

    借金玉さん、会社経営の借金経験から、「借金王」をもじって「借金玉」にされたとか。苦難を推進力に変えられる人は、強いですね〜!

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