毒親についての本はたくさん出ていますが、
心理学的に踏み込んだ本ほど、
毒親に苦しんでいる当事者が読むと、
「つらい」「苦しい」過去を思い出させるかもしれません。
結局の所、本人は最後まで読み切れずに、
その本をうまく役立てられない可能性すら、あり得ます。
次の私の新刊で、「本の紹介」がたくさん入るのですが、
「毒親」についての本を一冊紹介する必要があり、
何冊も読んでいたのですが、「これだ!」というのが、
なかなかありませんでした。
そんな中、以前より、予約注文していた本書
『毒親: 毒親育ちのあなたと毒親になりたくないあなたへ』
(中野信子著、ポプラ社)
が届き、これは「是非とも紹介したい毒親本」と思いました。
本書は脳科学者、中野信子さんが、
脳科学、遺伝子、科学実験の結果を紹介しながら、
非常にクールな切り口で「毒親とは何か」、
そして「毒親との折り合いの付け方」について解説した本です。
中野信子さんの本は、クール、ドライ、冷静、客観的。
悪く言うと「突き放した感じ」があるのですが、
本書では、彼女独特の「距離感」が、
読者をドロドロとした親子の情念の世界に巻き込まれない。
「防御壁」のような役割を果たしているのです。
多くの人は、毒親本を読むと、
「毒親」である自分の親を責めたり、
そこに迎合していた自分を責めたり、
マイナスの心理反応をとる人が多い。
実際、Amazonの毒親本についての「レビュー」を読むと、
ものすごい「辛辣なコメント」が投稿されているのですが、
それは「その本」が悪い本だからというよりも、
その人の、自分の毒親に対する「マイナスの心理反応」が
引き出されてしまい、
それが「レビュー」として書かれているだけなのです。
というわけで、心理学の本というのは、
正論をズバッと書けば良いというモノではないのです。
本書は、親と子の人間関係ではなく、
生物として「親は子をどのように養育するのか?」
「どのように養育するのかが正解なのか」
を科学的に描き出しているので、
自分の親との個別の人間関係とは無縁の世界で、
「毒親」を論じている点が、
いままでの類書にないユニークな点であり、
読んでいて、明解な語り口に「スッキリ」するのです。
最後の部分に、毒親への対処法が書かれていますが、
「自分をもっと自分で愛してあげてもいい」
「過去を変えることはできなくても、その解釈と、自分自身の未来は変えられます。」
といったように、親と直接対決するわけではなく、
「解釈」や「環境」を変えることが、解決法として示されていて、
それとても「実行しやすい方法」と言えるでしょう。
「自分は、毒親に育てられた!」と思う人に
読んで欲しい一冊です。
『毒親: 毒親育ちのあなたと毒親になりたくないあなたへ』
(中野信子著、ポプラ社)
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