書評/映画評

鯨のレストラン ~鯨が食料問題を解決する!

ドキュメンタリー映画『鯨のレストラン』を見ました。

ドキュメンタリー映画など滅多に見ないのですが、
この作品には関心がありました。

私の実家のお雑煮は、「鯨汁」なのです。

毎年、大晦日には「鯨汁」をいただき、
年があけると、そこにお餅をいれて、お雑煮でいただきます。

北海道では松前藩の頃から、捕鯨が盛んだったのです。

今年の年初に行った
「お雑煮を作って食べる会」では、
私のご当地の「鯨雑煮」を作ったところ、大好評でした。

ということで、「鯨肉」というのは、
私にとってのソウルフードの一つ。

そこで、本作『鯨のレストラン』が、
気になったというわけです。

映画を見る前は、
「鯨の食文化を守れ!」というテーマか・・・
と思いましたが、実は、そうではありませんでした。

良い意味で、大きく裏切られました。
あくまでも、「鯨の食文化を守れ!」は「入り口」です。

「鯨」と「捕鯨」問題を突破口にして、
食料問題、環境問題、SDGs、
そして不条理な国連や企業利権の問題が
鋭く描き出されます。

それでいて、
ドキュンタリーにありがちな
テーマをごり押しするわけではなく
鯨料理店の主人や
鯨料理好きの樋口真嗣監督(『シン・ゴジラ』の特技監督)
など、人物にフォーカスすることで、
ホッコリとした作りになっている。
「共感」を呼びやすい作りになっています。

1963年、捕鯨が最も盛んだった時期。
日本人の蛋白質の最大の摂取源は、
豚肉、鶏肉、牛肉ではなく「鯨肉」だった!
という事実には驚かされます。

鯨肉というのは、一部地域の特別な食事ではなく、
日本人に欠かせない食材だったのです。

また、鯨肉は、高タンパクで、低脂質。
そして、頭が良くなる脂質「オメガ3脂肪酸」も豊富です。

最近の研究では、うつ病や認知症に対して「オメガ3脂肪酸」の投与の
有効性が認められた報告もあり、
「抗うつ薬」がわりになるのではないか、という期待も高まっています。

鯨は、哺乳類なのに、栄養素的には「青魚」に近く、
そして、「鉄」や抗疲労成分「バレニン」も豊富に含みます。
栄養素的に、理想的な蛋白源と言って良いでしょう。

にもかかわらず、なぜ捕鯨できないのか・・・。

そこは、映画をご覧ください(笑)。
国連、環境保護団体の複雑な裏舞台が描かれています。

テレビやマスコミには、なかなか出せない内容。
ドキュメンタリー映画だから、
世に問うことができた、とも言えます。

食料不足が叫ばれる中、
代替肉(大豆ミート)や昆虫食のニュースが流れる昨今。
果たして、「食料不足」は本当なのか?
という疑問も出されます。

地球上の3割の陸地で、
森林を伐採して畑にして、化学肥料、農薬をたくさん使って、
遺伝子組み換えの作物を大量に作る。
化学飼料と抗生物質を食べさせた家畜を飼育する。

そこには限界があるでしょうし、
それらは「健康によい食品」とは言えないのです。

とすれば、地球の「7割」をしめる海の
海洋資源を利用すればよい!

その素晴らしいアイデアが、なぜか広がらない。

それは、大企業が儲からないからでしょう。

日本が、海洋資源で自給率を高め
外国からの食料輸入を減らすことを、
諸外国はよろこばないでしょう。

50万頭にまで増えている鯨は、
食糧不足、そして環境問題を解決する切り札になる!
そんな、大胆な提案が、本作には込められています。

「知る」ということは、重要です。
知らないと、騙されるだけですから。

10年後、20年後。
「昆虫」が主要な蛋白源となる時代。
それは、絶対に避けたいです。

そのためにも、
本作『鯨のレストラン』を1人でも多くの人に
見て欲しいのです。

『鯨のレストラン』公式サイト
https://www.whalerestaurant.jp/

追伸
現在、上映館は東京「K’sシネマ」(新宿)のみです。
ここで、観客数が増えないと、全国公開も難しいとのこと。
関心のある方は、是非、見ていただきたいです。

追伸2
『鯨のレストラン』の八木景子監督は、
全作『ビハインド・ザ・コーヴ』で注目を集めました。

『ビハインド・ザ・コーヴ』は、
Netflixで世界配信された
日本で初(唯一)のドキュンタリー映画となっています。

【全動画プレゼント】
あなたの悩みの95%は解決する。
YouTube「樺チャンネル」の全動画4000本のリストをプレゼント中。
今すぐダウンロードしてください。
https://canyon-ex.jp/fx2334/z6j0NW

コメントを残す

*

CAPTCHA