久しぶりの演劇鑑賞。萩尾望都原作の『エッグスタンド』を見ました。
やばい。ハンマーでガツンと頭を殴られたような衝撃。
第二次世界大戦中、ナチスドイツ占領下のパリ。
踊り子ルイーズと孤児の少年ラウルとの運命的な出会い。
しかし二人は、それぞれ大きな秘密を隠し持っていました・・・。
演劇と映画、似てはいるけども、
この舞台は、演劇でないとできない世界を描いています。
たくさんの人が死ぬのですが、これを「映画」でやると、
間違いなく、もの凄く悲惨で衝撃的で見ていられないような
苦しい映画となるでしょう。
演劇では、「死」は演じるものですから、リアルではなく、観念的に伝える。
小説と同じでイメージの世界です。
映画は、現実そのものに近いので、人が死ぬシーンは、相当の衝撃があります。
人を殺すというは、どういうことか?
普通の人殺しは厳しく裁かれるのに、
戦争でたくさんの人を殺しても裁かれないのはなぜか?
といった、非常にディープで重たいテーマを突きつけて来るわけですが、
演劇なので十分に直視できる。「死」と対峙できる。
「死」のテーマについて、考えさせられるわけです。
これをそのまま映画にしてしまうと、見終わった後、
2、3日は、どよ~~~んとした気分に支配されたでしょう。
演劇ならでこそ、扱えるテーマなのです。
「スタジオライフ」は、宝塚の男性版。
歌舞伎の演劇版といいましょうか。
全ての配役が男性によって演じられます。
最初は違和感がありますが、すぐにその独特の世界観に引き込まれます。
ということで、お勧めの一本です。