映画『ジュディ 虹の彼方に』を鑑賞。
レネー・ゼルウィガーがアカデミー主演女優賞を受賞した作品、
ですが私は全く共感できませんでした。
彼女の演技や歌唱は素晴らしいのですが・・・。
【以下、映画のストーリーが結構書かれていますので、
ネタバレを嫌う方は読まない方がいいかも】
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
よく言えば、
アルコール依存症の「ろくでなし」ぶりを見事に描いた作品。
自分を応援してくれた人間を平気で裏切り、
それでもまだ懲りずに、同じ過ちを繰り返す。
迷惑の無限連鎖。
子供にも愛想をつかされ、最愛の子供の親権まで奪われる。
それでも、まだ酒をやめない。
それどころか、さらに酒に溺れる。
「いい加減にせーよ」と思うけど、そこで修正できない。
それでも酒をやめられず、酒に溺れて、他人に迷惑をかけて、
どん底に落ちていくのが、アルコール依存症という病気。
同じ音楽映画『ロケットマン』では、
エルトン・ジョンのアルコール依存症、薬物依存症で、
散々他人に迷惑をかけるわけですが、
最後にはそれに気付き、
「何とかしよう」と立ち直ろうとするわけです。
しかし、本作にはそれがない。
だから、救いがない。
幼少期のスタジオ時代のエピソードが、
トラウマのように描かれますが、
それはそれとして、
今回のロンドン公演も含めて「立ち直るチャンス」は何度もあったはず。
それを自ら、全てぶちこわしてしまうのです。
全く救いもないし、全く共感もできませんでした。
ラストの映画『オーバー・ザ・レインボー』の熱唱シーンは、
確かに感動的ではありますが、
彼女は「お酒」という問題に対して、何か気付きを得て、
その後、行動を変えたのでしょうか?
変えるはずがないのです。
「ろくでなし」として登場し、
何も学ばず、気付きもせず、
むしろ何人もの人を裏切り、傷つけて、
余計にひどい状態に陥る。
主人公が何も学ばず、何も成長もしない映画って、
映画として成立するのでしょうか?
ということで、これがアルコール依存症の恐ろしさ。
どんな心配や挫折からも、
何も学ばずに「どん底」へと落ちていく。
アルコール依存症の「ろくでなし」ぶりを見事に描いた作品。
そこから抜け出ることのできない底なし沼のような
アルコール依存症の怖ろしさを描いた作品、
という意味では傑作かもしれない。
私の中では、全く救いのないラスト。
ものすごーーい虚無感と不快感に包まれ、
映画は幕を閉じた。
映画なんだから、多少事実と違ってもいいから
「ささやかな救い」が欲しい。
バッドエンド(アンハッピーエンド)が大好きな私が、
こう思うのだから、この映画はやはり凄いのかもしれない。
樺沢の評価・・・★★★☆(3・8)
追伸
アルコール依存症は、本人が「何とかしよう」と思わない限り、
絶対に治らない病気。
逆に、本人が「何とかしなければ」と本気で思えば、
治るチャンスは十分にある病気である。
【関連ページ】
ロケットマン ~愛されない子供に未来はあるのか?
https://kabasawa3.com/blog/book-movie/rocketman
【全動画プレゼント】
あなたの悩みの95%は解決する。
YouTube「樺チャンネル」の全動画1500本のリストをプレゼント中。
今すぐダウンロードしてください。
https://canyon-ex.jp/fx2334/z6j0NW