書評/映画評

片思い世界 ~喪の作業は簡単ではない

『花束みたいな恋をした』の
土井裕泰監督と脚本(坂元裕二)コンビが
おくる最新作。

本作の『片思い世界』というタイトルからも、
ラブストーリーを期待する。

ラブストーリーの部分もあるけども、
人物描写、心理描写は、
非常にディープであり、
見応えのある作品になっていました。

大切な人を亡くした場合、
精神的に大きなショックを受けるし、
うつ的になるかもしれません。

大切な人の死を受容するには、
時間がかかります。

そして、
そこから立ち直るのも、
簡単ではありません。

こうした、
深い悲しみから立ち直るための心の作業を
喪の作業(グリーフワーク)
と言います。

大切な人を亡くしたショックから立ち直る映画。
数え切れないほどありますが、
本作は、「亡くなった人」の側から、
喪の作業を描いている・・・
というのが非常にユニークであり、斬新。

誰でも、「大切な人」の死は、経験するもの。
それをどのように乗り越えて行くのか・・・
というヒントが、本作にはあります。

広瀬すず、杉咲花、清原果耶
の3人が主人公。

広瀬すずもいいのですが、
杉咲花の存在感、演技力が光ります。

3人の屈託のない笑顔が輝くほどに、
切なく、悲しくなる。
そんなストーリーの仕掛けもあります。

日本映画の多くが「小説」原作が多い中、
本作はオリジナル脚本というのもいい。

ラスト15分は号泣。

良い映画、見ました。

『片思い世界』樺沢の評価は・・・・・・★★★★☆ (4・6)

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コメント

  1. カーネーション より:

    樺沢先生のブログを読んで、今日、映画館で「片思い世界」を観てきました。
    幽霊は普通に生活して成長しているというのが面白かった。幽霊が幽霊の映画をみて実際はそうじゃないよって。
    3人で幸せそうに暮らしているし、規則正しく生活しているのも興味深かった。
    それが、現実世界に片思いしているのだろうなと感じられる。本当だったら皆に気付いてほしい。こんなにきちんと生きてるんだよって。
    ご飯を食べて、お風呂に入って、仕事や学校に行って、着替えして洗濯して、前髪を気にして。
    花屋で働き再婚して妹を授かったお母さんへの片思い?独りぼっちの女の子を合唱部へ誘ってくれた彼への片思い。なぜ殺したのかを聞きたい犯人への思い。
    ラジオから届いた声に、望みをかけて一生懸命にトライする姿。
    好きなクッキーの形のシーンからは涙がこぼれた。月のクッキー。
    風が吹いて見つけてもらえたノート。思いが伝わる。
    12年という歳月。
    これからも3人は新しい住まいで普通の生活を続けていくのだろうか。

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