書評/映画評

ミセス・ハリス、パリへ行く ~親切と感謝の連鎖で人生は変わる!

映画『ミセス・ハリス、パリへ行く』を見ました。
ものすごーーーく良かった!

1日1回上映になってしまったので、
しょうがなく10時55分の回を鑑賞。

劇場に入って、驚愕。
なななんと、満席!! 
最前列まで埋まっている。

「所詮、おばさんのシンデレラ・ストーリーでしょ」と思って、
期待していませんでしたが、後半、号泣していました。

家政婦のハリスは、ある日、
クリスチャン・ディオールのオートクチュール・ドレスに魅了されます。
自分もそんなドレスが欲しい、という夢を抱きます。

それは非現実的な夢に思えますが、
様々な「引き寄せ」によって、物語は意外な展開に・・・。

「夢をあきらめない」というストーリーをベースにしながら、
見返りを求めないギブの精神の大切さが描かれます。

ハリスが夢を追い求める話かと思いながら、
ハリスが周りの人たちに笑顔とやさしさをふりまき、
周囲の人たちを幸せにしていく話へと転化していくのです。

ハリスは「透明人間みたい」と揶揄されますが、
そんなハリスも様々な「長所」「能力」「魅力」が眠っていたことが、
明らかになっていきます。

人を輝かせることで、自分が輝く。
人を幸せにすることで、自分が幸せになっていく。

『言語化の魔力』の最後で述べた、
「親切と感謝、オキシトシンとエンドルフィンの連鎖で、人は幸せになる! 」
ということが、この映画に見事に描かれていたことに驚きます。

そして、一歩踏み出す勇気。
自分の夢を「どうせ無理」とあきらめない。

ハリスの「徳の貯金」のせいか、
ハリスの夢を応援してくれる人が続々と現れる。

やっぱり、「見返りを求めないギブ」は、大切だな・・・と。

ディオールのファッション業界の光と闇も、
リアルでディープに描かれていました。

ファッション好きの人は、興味津々でしょう。
前半、トントン拍子の展開に「こんな調子の良い話はないだろう!」
と突っ込みをいれたくなるものの、
ミセス・ハリスの人柄と、積極的な行動に巻き込まれて、
登場人物と同様に、いつのまにか彼女を応援している自分が・・・。

本作を見ると、「人を動かす」「人を変える」ということが、
どういうことか、よくわかります。

本当に見逃さないで良かった映画。

追伸
今年、92本目の鑑賞。
年間100本鑑賞まで、あと8本。

『ミセス・ハリス、パリへ行く』樺沢の評価は・・・★★★★☆ (4・5)

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