昨日、サン・セバスチャンの三ツ星レストラン
「アルザック」の話を書きましたが、
そのときに、バスク地方の人気店、
世界のベストレストラン50(2017年)で「第6位」に選ばれた
「アサドール・エチェバリ」、
世界で最も勢いがあるレストランの一つと言われる店の
スー・シェフ(副料理長)の前田哲郎さんに同席していただき、
バスク料理の魅力や世界の一流レストランで働く苦労などについて、
教えていただきました。
ちなみに、
前田さんを取り上げた「News Week」の記事はコチラ
https://impulse-ex.com/L2334/h11501/29461
世界の一流レストランで働くだけでも大変なのに、
日本人がそこでスー・シェフまでのぼりつめるというのは、
相当にたいへんなことだと思います。
前田シェフの印象は、先日のレスターの岡崎選手ともかぶりますが、
やはり何を質問しても瞬時に的確な言葉で答えられる、
ということです。
つまり普段から、「食」について、
膨大な情報収集、研究、試行錯誤が繰り返されるのが、
その言葉の端々からにじみます。
「バスク料理の特徴は?」というベタな質問をしてみましたが、
バスク地方の歴史やバスク地方の主要な食材の起源にまでさかのぼり、
15分ほどかけて説明していただきましたが、結論を言うと、
「バスク料理の特徴を一言で説明することは無理」
ということでした。
おもしろい話をたくさん聞きましたが、
一番、凄いなと思ったのは、
バスク人の生活を知るために、
上下水道も通っていない山小屋で生活している、
という話。
以前は、レストランまで馬で通っていた
という徹底ぶり。
単なる料理のテクニックだけではなく、
精神的な部分でもバスク人に近づこう、
という発想は凄いなと思いました。
言うなれば、「全部戦略」。
目的に達するために、やれるべきこと全てをやり尽くすという。
そうでなければ、「一流」にはなれないのでしょう。
前田シェフの謙虚で、人当たりの良い人柄もあり、
3時間がアッという間に過ぎました。
薪で調理をする
「アサドール・エチェバリ」の火の料理。
次回は、絶対に食べたいと思いました。