映画『F1/エフワン』が良かった。
迫力で臨場感たっぷりのレースシーンも
魅力的だが、
御年61歳のブラッド・ピットが、
伝説のF1ドライバー、ソニー・ヘイズを演じる。
「何歳でも挑戦できる!」
というテーマに心引かれた。
私は今年60歳なので、
ほぼブラピと同年齢。
なので、余計に共感できる。
レース中の事故で重傷を負い、F1からは引退。
その後、ギャンブル依存症となり、
世界中のマイナーなレースを渡り歩いていたソニー。
そこに、かってのドライバー仲間で旧友のルーベンが、
F1ドライバーへの復帰を打診する。
30年ぶりに現役に復帰したという設定は、
ソニーが50代後半であることを示すだろう。
50代でF1ドライバーとして活躍する、
ましてや優勝を目指すという設定は、
現実離れしているが、
劇中でもそれは「奇跡」と呼ばれる。
果たして、「奇跡」は実現するのか?
レース中の事故は、悪夢にもたびたび現れるように、
ソニーのトラウマになっている。
そのトラウマを乗り越えるには、
F1での成功体験、
「やりきった」という体験しかなかろう。
ソニーは、この年齢になってまで、
なぜF1で走り続けるのか?
「走る理由、目的」が、
たびたび問われる。
彼は最後に、「好きだから」と答える。
運転しているのが楽しいから。
レース。そして、ドライビングの瞬間こそが、
彼の居場所なのだ!
好きだから、チャレンジすればいいのだ。
他人にとやかく言われる筋合いはない。
結果さえ出していれば。
トム・クルーズが、
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
で見せた、スタントマンを使わない
体当たりのアクションシーンにも驚いた!
トム・クルーズは現在63歳だが、
撮影時は60歳くらいだろう。
「歳だからできない!」
「歳だから無理!」
社会的なレッテル張りが多い中、
『F1/エフワン』も
『ミッション:インポッシブル』も
「やればできる!」という
強烈なメッセージを放っている。
歳をとるごとに、
会社や家庭で、居場所を失う人が多い。
男性では、特に50代にその傾向が強く、
将来への目標喪失からメンタルダウンする
「ミッドライフ・クライシス」という
言葉もある。
彼は、
レースやドライビングでこそ、輝ける。
そこが、彼の居場所なのだ!
ソニーが言う、
「空を飛ぶような走り」という表現も、
車と一体になった至福の瞬間を表現している。
「居場所」を見つける
というのは、心理学的にも重要なテーマ。
ソニーは最初、
「F1で結果を出すこと」や
「自分のトラウマ回復」に囚われるが、
次第に、若手ドライバーのJPを育成する
視座に転換していくところも良い。
「自分が自分が」というアピールから、
チームのためにという
他社貢献の姿勢に変わっていく。
13歳で父親を失ったソニーとJP。
最後にソニーは、JPにとっての父親
(あこがれの存在、父性)に
なったはずだ。
F1のレースシーンを迫力の映像で見せる映画
として見た人も多いだろうが、
心理描写が良くできていた。
ただセリフで説明するシーンは、
最小限なのでわかりづらい。
だからこそ、
押しつけがましくなくていいのだ。
『F1/エフワン』樺沢の評価は・・・・・・・ ★★★★☆ (4・5)
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