【質問】
統合失調症で治療中の者です。
具合が悪かった頃の記憶が曖昧で、
きちんとノートに書いて整理したりしています。
とはいえ、もうすでに過去の出来事で確認のしようがなく、
取り留めのない作業と言われてしまえばそれまでです。
この衝動は止めない方がいいのでしょうか?
(とろりんさん、38歳、女性)
【回答】
「書く」ことは、アウトプット。
アウトプットはとても良い!!
ということを拙著『アウトプット大全』でお伝えしました。
「書く」ことによって、
圧倒的に記憶に残りやすくなる、という側面があります。
つまり、ネガティブな感情やネガティブな出来事、
失敗体験、苦しい思い出などを、思い出して書きとめることによって、
それらが「記憶」として強調され、忘れられなくなってしまうのです。
ですから、ネガティブな感情やネガティブな出来事は、
基本的に書かない方が良いのです。
具合が悪かった頃の思い出は、
非常に「つらい」「くるしい」ことばかり。
思い出すのもつらいと思います。
さらに、それらを思い出すと
「あのとき、すぐに病院に行っていれば・・・」
「きちんと薬を飲んでいれば、もっと早く治ったかも・・・」
とか、後悔や自責の念が湧いてくるのです。
そうしたことを無理に思い出して記録することで、
ネガティブな記憶やトラウマが、さらに強化されて、
病気が治りづらくなる可能性も高まります。
つまり、百害あって一利なしです。
そうしたノートをカウンセラーなどに見てもらい、
指示やアドバイスをもらいながら行うのでしたら、
効果が得られる場合もありますが、
自分の過去を掘り起こすのは、慎重に行わないと危険です。
記録すべきなのは、「毎日の自分の調子」。
それも、できないことではなく、できたこと。
苦しいことではなく、楽しいこと。
うまくいっていることなどを中心に書くようにする。
それによって、病気の「改善」を強く自覚することができて、
病気の治りが早くなります。
過去のネガティブな出来事を記録するのが、
病気を悪化させるアウトプット
今日のポジティブな出来事を記録するのが、
病気が治るアウトプットです。