気が付くと、私の新刊の原稿締め切りまで
あと2日に迫っていました。
「締め切り」を嫌う人も多いと思いますが、
「締め切り」は脳科学的には、歓迎すべき「味方」と考えるべきです。
夏休みの最後の一日。
今までほとんど手つかずの宿題や自由研究を、
たった一日で終わらせた。
そんな経験は、誰もがあると思います。
もともと一日で終わらせられるのであれば、
夏休み最初の1日で終わらせればいいのに、
と思うかもしれませんが、
最初の一日では、どんなに頑張っても、
全ての宿題を一日で終わらすことはたできないはずです。
人間は、追い詰められるとノルアドレナリン
という脳内物質が出るのです。
ノルアドレナリンが分泌されると、
注意力、集中力が高まり、
結果として素早く判断できるようになり、
それと同時に記憶力、学習能力、作業遂行能力など、
ほとんどの脳機能が高まります。
私たちが持つ潜在能力を引き出し、
全てのパフォーマンスを高めるてくれる
夢のような脳内物質があります。
それが、ノルアドレナリンです。
このノルアドレナリンが出ると、
集中力、記憶力、実行能力などの、
ほとんどの脳機能があっぷします。
ですから、「追い詰められた状態」で、
仕事をするのは、脳科学的には非常に効果的といえます。
このノルアドレナリンは、恐怖、不安、緊張と
関連して分泌されます。
原始人が猛獣と出会った時。
「闘う」か「逃げる」のかを瞬時に判断しなければ
死んでしまいます。
そんなときに分泌されているのが、ノルアドレナリンです。
「火事場の馬鹿力仕事術」を、
ビジネスマンが仕事に応用するとどうなるのか?
どんな仕事にも、「締め切り」や「納期」
というものがあるはずです。
そうした、「締め切り」や「納期」を必ず守るようにすれば、
「火事場の馬鹿力」が自然に発揮されて、
仕事力、記憶力が高まります。
私の場合、「原稿の締め切り」というのがありますが、
原稿の締め切りは必ず守る著者として知られています。
著者さんの中には、締め切り間近になると、
毎回必ず「一週間待ってください」
と言ってくる方もいるそうです。
「原稿の締め切り」を守らないと、
「火事場の馬鹿力」が発揮されません。
「9月30日締め切り」になっていても、
「間に合わなければ、一週間くらい締め切りを伸ばせばいいや」
と最初から思っていたとするならば、
切羽詰まった状態になりません。
すると、ノルアドレナリンが分泌されないのです。
結果として、締め切りも守らず、効率も上がらず、
ダラダラ仕事をすることになってしまいます。
「9月30日には必ず提出する。締め切りは必ず守る」
と決めていれば、夏休み一日前の子供たちと同じように、
ものすごいパフォーマンスを発揮することができます。