『架空の犬と嘘をつく猫』。
不思議なタイトルの作品を見ました。
「喪の作業」、
あるいは「トラウマ」を乗り越える作品は、
非常に多い。
「喪の作業」とは、
大切な人を失った際に経験する深い悲しみや
混乱といった心理的なプロセスを乗り越え、
その喪失を受け入れて再び立ち直っていくための
心の仕事(プロセス)のこと。
「作業」という言葉が使われているように、
ただ黙っていても、時間が勝手に
癒してくれるわけではないのです。
じゃあどうするのか?
それが、多くの映画で描かれています。
先日見た『コート・スティーリング』もそうだし、
2025年の作品だと
『兄を持ち運べるサイズに』『夏の砂の上』
『ファーストキス 1ST KISS』『片思い世界』
『ふれる』など、心に染みる良い作品が
多いとも言えます。
本作では、主人公の山吹(やまぶき)の、
弟の事故死をきっかけに、
心を閉ざした母。それを支えられない父。
母を受け入れられない姉。
個性的な祖父母。
羽猫(はねこ)家の家族の物語を
淡々と描きます。
山吹は、典型的な「いい人キャラ」として
描かれますが、
実は、メンタルを病んだ母を忖度していたり、
本人なりに苦しんでいる様子が、
徐々に明らかになっていきます。
大切な人の死を受け入れることは、
簡単ではないのです。
紆余曲折あるし、
現実を否定してしまう「否認」
という心理も出やすい。
羽猫(はねこ)家の家族は、
感情を露わにはしないけども、
それぞれに苦しみながら、
それぞれに自分なりのやり方で、
「家族の死」と向き合っているのです。
感動的なシーンや衝撃的な事件も
ありませんが、
だからこそ「どこにでもありえる風景」
として、共感する部分も多い。
誰もが「生きづらさ」をかかえながら、
自分や周りに「嘘」をついている
かもしれない。
精神的な自己防衛のためにも、
そうした「嘘」や
「想像」「ファンタジー」「架空の物語」
というのは、機能するのです。
本作で、「山吹」が孤児院の子供たちに、
即興で物語を語るシーンがありますが、
そのシーンが結構、重要。
自身のイマジネーションが自分自身を癒やすともに、
その「物語り」には、他人を癒やす力がある!
ということ。
最後まで見ると、
タイトルの意味が分かり、
腑に落ちます。
「家族のあり方」なども含めて
いろいろと
考えさせられる作品です。
2026年、7本目の鑑賞。
『架空の犬と嘘をつく猫』樺沢の評価は・・・・・・★★★★ (4・4)
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