書評/映画評

チャイルド・プレイ~ AI、ロボットの「怖さ」を描くSF映画

『チャイルド・プレイ』を鑑賞。

1988年の第1作は、当然見ているけども、
それとは全く違ったおもしろさの作品として、
期待以上に楽しめました。

ホラー映画というか、
AI、ロボットものSF映画と言ったほうが正しい。

最新のAIを搭載した人形(ロボット)が、
人間の暴力性や残虐性を機械学習して習得し、殺人ロボットになっていく。
それらの行動は全て人間の行動や言葉を元にしている、という点がキモ。

「あんな奴いなくなってしまえばいい」的なネガティブな言葉を、
AIロボットのチャッキーが忖度して、本当に殺しに行くのです。

ナイフの使い方や人を罵倒する言葉など、
人間の行動や言葉をただ機械学習して、模倣しているだけ。

これからのAI、ロボット時代において、
真の機械学習が可能になれば、
人間のネガティブな行動や言葉を真似るAIロボットが
出現しても全くおかしくありません。

むしろ、今まで多くのSF映画で描かれたように、
ロボットが人間に危害を加えるような事件は、絶対に起きるだろうなあ・・・
というのが、本作を見ての率直な感想。

ロボット三原則の一つ
「ロボットは人間に危害を加えてはならない。」
を遵守させれば、大丈夫ということも言われますが、
それって、所詮ブログラムなのです。

逆を言えば、
ブログラムが書き換えられた瞬間に、
ロボットは人間に簡単に危害を与えるようになるのです。

実際、本作でも、安全性のブログラムを書き換えられたせいで、
AIロボットのチャッキーが暴走するのです。

先日の、「セブン・ペイ」の不正アクセス問題。
ブログラムに少しでも脆弱性があれば、
そこをついて大儲けをしようという輩が、世界中にゴロゴロしている。
虎視眈々とチャンスを狙っていることが、明らかにされました。

ロボットや自動運転のブログラムのセキュリティに、
ちょっとした問題があれば、殺人事件や大災害などの大規模なテロも
簡単に引き起こすことができる。

そんな、未来社会の危険なシミュレーション、いや確実に起きる未来が、
『チャイルド・プレイ』には描かれているのです。

ロボットが人間の暴力を模倣するように、
あなたが発する「暴力的な言葉」や「ネガティブな言葉」を
あなたのお子さんは、しっかりと学習し、模倣しているはずです。
ロボットじゃなく、人間も同じだよ、と。

ロボットの研究分野で「不気味の谷」という言葉があります。
アンドロイドの表情、デフォルメされているときは可愛らしいのに、
人間に似せれば似せるほど不気味に見えてしまう現象を
「不気味の谷」と言います。

このAI人形のバディ(チャッキー)が、ものすごく不気味に感じられるのは、
「不気味の谷」の心理効果をうまく活用しているからでしょう。

その不気味さを、「恐怖」の演出にそのままつなげているという。

そして、チャッキーの声を担当するのが、
「スター・ウォーズ」のルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミル!!

マーク・ハミルの不気味な声が、映画の恐怖感を一層煽るのです。

『キングスマン』のアーノルド教授とか、
『ブリグズビー・ベア』の父親役のマーク・ハミルもそうでしたが、
キワモノ俳優としての地位を確立しつつあるのは、
「スター・ウォーズ」ファンとして、喜んでいいのか、悪いのか・・・(笑)。

ホラー映画としては凡庸ですが、
鋭い未来予測を含んだSF映画として見ると、
かなり楽しめる映画だと思いました。

『チャイルド・プレイ』樺沢の評価は・・・★★★☆ (3・8)

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