書評/映画評

ハーバード医学教授が教える健康の正解  ~ 何をすへきかが明解なホームラン本

私にとって良い本の条件。
それは、本を読んだあとに、本の内容や感想を一言で言えること。
「話す」であれば、10秒。
「書く」であれば、50文字以内。

例えば、
『アウトプット大全』の内容は、
「インプット→アウトプット→フィードバックで圧倒的に成長できる」
ということ。

『神・時間術』であれば、
「集中力の高い時間帯に集中力の必要な仕事をしよう」。

『読んだら忘れない読書術』であれば、
「本読んだら2週間で3回アウトプットすれば内容は忘れない」
と、いずれもコンセプトは明快なはずです。

だからあなたも、本を読んだら、その内容、感想を一言で表現してみましよう。

「話す」で10秒。「書く」50文字以内。

それっポッチも表現(アウトプット)できないとするなら、
それは全く記憶にも印象に残っていないということ。

読んだだけ時間の無駄ということになります。

さて、
『嫌われる勇気』や『君たちはいかに生きるか』の内容を
一言で言える人、いますか?

私は、たくさんの人にその質問を実際にしていますが、
言えるのは10%以下です。

それは、みなさんの読書力が低いわけではなく、
本が難しく、わかりにくいのが原因です。

とはいえ、
『嫌われる勇気』や『君たちはいかに生きるか』の、
内容は素晴らしい。

しかし、読んだ人が理解できて、
それを記憶にとどめて、それを実行に移せないとするならば、
読んだ人にとって「無意味」な本ということになります。

世の中、良書、名著はたくさんありますが、
いかんせん、そのほとんどは「わかりにくい」し、
実際に記憶に残りづらいのです。

さて、昨今の健康本、空前のブーム。

食事、睡眠、休息などあらゆる健康本のオンパレード。

どの本もそれなりに、科学的事実を書いています。
では、あなたが、最近読んだ健康本の内容を、
10秒で説明してください。

おそらくできないと思います。

最近の健康本。

非常にレベルが高く、科学的根拠に基づいていますが。
内容が盛り込みすぎなのです。

一度にたくさんの情報を学ぼうとするほど
記憶に残らない。

『アウトプット大全』でお伝えしたとおりです。

そんな中、この
『ハーバード医学教授が教える健康の正解』
は、圧倒的なわかりやすさと明解さを備えています。
https://impulse-ex.com/L2334/h58665/812901

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その内容を一言でいえば、
「コーヒー、ビタミンD、運動、ナッツ、瞑想。
たった5つの生活習慣で長生きできる!」
というものです。、

どうです。
わかりやすいでしょう?

読み終わると、
「何だ。これだけで長生きできるんだ。
是非、やってみよう!」という気持ちになります。

ちなみに、私はこの5つの生活習慣のうち、
「ビタミンD」以外は、全て意識していましたが、
「ビタミンD」に関しては、盲点でした。

この本の特筆すべき点は、
「ビタミンD」の重要性を強調していることです。

コーヒー、ナッツ、運動、瞑想については、
すでに散々書かれていますが、
「ビタミンD」はあまり注目されていなかった。

私も、「ビタミンD」は重要なビタミンなので、
一度、きちんと調べてYouTubeで取り上げたい、
と思っていた矢先だったので、
「目のつけ所」が素晴らしいと思いました。

「ビタミンD」は、リン、カルシウムの吸収に影響し、
「ビタミンD」が不足すると、骨粗しょう症の原因となります。

お年寄りによくあるパターン。

骨が弱くなったお年寄りが転倒して足の骨を骨折。
入院して、退院する頃には、足の筋力が衰えて、
独り歩きが困難となり、「寝たきり」に移行。
寝たきりになると、様々な病気にかかりやすくなり、
寿命を縮めます。

骨を強化する「ビタミンD」が、
長生きには必須ということは、私も知っていましたが、
それだけではない凄いデータが満載です。

#ビタミンDは、がんの発生率を下げる
#ビタミンDは、糖尿病の発生率を下げる
#ビタミンDの低い人は、心臓発作を起こす確率が2倍高い
#ビタミンD欠乏症の人は、脳卒中、心不全、心臓発作のリスクが77%高い
#減塩よりもビタミンDの補充の方が、血圧を下げる
#ビタミンDは、予防接種よりも、かぜ、インフルエンザの予防効果が高い
#ビタミンDには、死亡率を下げる効果がある

つまり、ビタミンDは、ほとんどの生活習慣病の予防効果がある、
ということ。

さらに精神科医として注目したいのは、

#ビタミンDは、アルツハイマー病の原因物質を取り除く
#ビタミンDの高い群と低い群では、アルツハイマー病の発症率が2倍違う
#多発性硬化症の発症は、日光暴露(ビタミンD)と関係している。
#ビタミンDの低い人は、統合失調症になるリスクが2倍
#ADHDの子供は、ビタミンD濃度が15%低い

といった、メンタル疾患、神経疾患との関連性である。

つまり、ビタミンDは、メンタル疾患の予防に役立ちそうだ、
ということ。

ビタミンDを正常に保つには、どうすればいいのか?

ビタミンDは、食事からも摂取できますが、
大部分のビタミンDは体内で生成されます。

そして、ビタミンD生成に必須なのが「紫外線」です!

>温暖な地域の人は、夏は20分、冬ならば30分間、
>日焼け止めを塗らずに屋外で過ごすこと。

これで、ビタミンD欠乏を防げるそうです。

私達は、
紫外線は、身体に悪い!!
と散々、刷り込まけていますが、
最低限の紫外線を浴びないと、ビタミンD欠乏に陥るのです。

また食事、日光では足りない可能性もあるので、
著者は次のように述べています。

>私が常用しているサプリメントはただ一つ。
>ビタミンD3だけ。
>1日4000IUのビタミンDを摂取している。

とのこと。

ビタミンD、やばいな。

ビタミンDに関する「気づき」だけでも、
こんなに長文になってしまいました。

「コーヒー」と「ナッツ」に関する、データも極めて興味深い、

コーヒーは、一日何倍まで飲んでいいのか?
ナッツを食べるとやせる。
などなど。

この本には、たった5つの健康習慣しか紹介されていません。

しかし、その効用について、最新の研究を駆使して、徹底的に論じています。
ですから、圧倒的に記憶に残るし、実行にうつしやすい。

あれもこれもと欲張らない、非常に潔い本と言えます。

食事の制限は難しいですが、
「コーヒー」や「ナッツ」を少し増やす。
というのは、かなり実行しやすいと思います。

通しで読まずと、部分的に読んでもいいし、
とりあえず各章最後のまとめだけ読めば、
10分で概要をつかむこともできます。

『ハーバード医学教授が教える健康の正解』、

まさに「健康の正解」の名に恥じない、
渾身の健康本だと思います。

文句なしのホームラン本と言えます。

『ハーバード医学教授が教える健康の正解』
(サンジブ・チョプラ著、ダイヤモンド社)
https://impulse-ex.com/L2334/h58665/812901

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追伸
唯一、欠点があるとしたら、「睡眠」について全くふれていないこと。
まあ、「睡眠」については、私がそのうち決定版を書きますので、
よしとしましょう(笑)。

 

 

 

 

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