『八犬伝』見ました。
なかなかの力作。
滝沢馬琴が、
28年をかけて『南総里見八犬伝』を
完成させる物語を、
壮大な叙事詩のように描いている。
創作パートと現実世界の執筆パートが
交互に展開するが、
現実世界のパートのほとんどは、
馬琴の書斎。
つまり、映像的なおもしろさのない、
閉鎖空間で展開する。
にもかかわらず、叙事詩のようなスケール感を
感じずにいられないのは、凄いと思いました。
閉鎖空間で、会話だけで展開する現実パート。
つまり、それだけ役者の演技をじっくり見せる、
というか役者の演技が重要な作品になっています。
役所広司の安定感は当然として、
葛飾北斎を演じる内野聖陽が、存在感で負けていない。
そして、黒木華の控えめでありながら、
圧倒的な存在感を発揮するクライマックス部分では、
涙があふれます。
作品を書き続けるエネルギー。
そして、モチベーションの維持。
今のテーマで本当に良いのか?
という自問自答。迷い。
私も「作家」のはしくれとして、
「作品を生み出す」たいへんさに、
強く共感するのです。
私が一番好きなシーンは、
馬琴と「東海道四谷怪談」の作者、
鶴屋南北が「虚と実」について
議論するシーン。
私の考えは、
現実は、「虚」でも「実」でも、どっちでもいい。
文章(虚)というのは、現実(実)を
変えることができる!
ということ。
言語化することで、現実が作られるのです!
それが、「文章」であり、
「本(作品)」のおもしろさ。
馬琴は、「勧善懲悪」のストーリーが、
現実社会と乖離していることで悩むます。
しかし、作品のテーマに共感すれば、
「自分も信念を貫いて生きよう!」と、
読者の行動に、間違いなく影響を及ぼすのです。
それは、小説もビジネス書も同じこと。
「文章には、現実を変える力がある!」
本当にそうなのかはわかりませんが、
私はそれを信じている。
これが、私の文章を書き続ける、
作家を続ける
重要なモチベーションになっているのです。
映画を見ながら、
そんな自分のモチベーションの源泉に
気付かされるのです。
創作パートは、純粋に
時代劇×アクション×ファンタジー
つまり、エンタメとして楽しめるように
作られているのも、「うまい!」と思いました。
ということで、
いろいろと考えさせられる作品です。
『八犬伝』 樺沢の評価は・・・・・・★★★★ (4・4)
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