書評/映画評

アイ・アム まきもと ~死と向き合うことの大変さ

感動した。おもしろかった。
ネット上の評判は良好。

1日1回上映になっているので、
10時55分からの会を鑑賞しました。

私の感想は・・・「キツい」。

面白い!
そして、感動的。

しかし、見ていて、精神的にキツいな、と。

市役所の「おみおくり係」で働く主人公「牧本」。

空気が読めず、コミュニケーションにも苦労する牧本が、
孤独死した人たちの「おみおくり」に全力を注ぎます。

家族や友人もいない「孤独」な牧本にとっては、
「天職」と言うべき仕事なのかも。

空気が読めず、コミュニケーション下手。
すぐにテンパる。
「自分ルール」を通さないと気が済まない。

牧本は、「発達障害」ですが、
映画の中には、「発達障害」という説明は一言も出てきません。

空気が読めず、コミュニケーション下手で、
時に人に迷惑をかけてしまう。

厳密には、「発達障害」という病的水準ではなく、
「発達障害グレーゾーン」かもしれませんか、
このような「発達障害っぽい人」は、
あなたの職場にもいるはずです。

彼は、それを悲観することもなく、
「自分ルール」を作って、うまく適応しています。

例えば、発達障害の方は、
「忘れ物」や「置き忘れ」がとても多いのですが、
牧本はポケットの多いベストを愛用し、
どのポケットに何を入れるかを全て決めていて、
「忘れ物」をうまく回避しているのです。
(注意して見ていないと、わかりづらいですが)

本作は、牧本の仕事ぶりをユーモラスに描いた
コメディタッチの作品。

「発達障害」を笑いにするとはけしからん!
という意見もあるかもしれませんが、
「発達障害的な行動パターン」があっても、
深刻にならずに、自分らしく生きることは十分に可能!
という、発達障害者への応援歌ととらえることも可能です。

私が、「キツい」と思ったのは、発達障害の描写ではなく、
「死」の描写の部分です

本作に登場する方は、「孤独死」でなくなります。

家族がいない。
あるいは、家族と縁を切っているなどの訳あり。

こうした高齢者の「孤独死」は、
例えば東京都だけで4千人ちかくもいる。
という現実。

本人は、「死んでいる」わけですから、
家族を探し、葬式に出てもらうことに
どれほどの意味があるのか?

考えれば、考えるほど、ツラくなってきます。

一方で、ポジティブな描写もあります。

「友人や知人なんかいない」と思われた人も、
実は多くの人との「つながり」があった。

慕われていた。感謝されていた。
「会いたい」と思われていた。

結局、自分から心を開けて、
コミュニケーションをしていかないと、
「つながり」続けることは難しいのです。

ということで、「死」や「孤独」の問題について、
考えさせられる本作は、
「良作」であり、魂が揺さぶられる描写もあるのですが、
とにかく見ていて「ツラい」な、と。

私も56歳となり、
「老化」を自覚せざるをえない年齢となりました。

だから、「死」や「老い」という”現実”と
向き合いたくないのでしょうね。

『アイ・アム まきもと』樺沢の評価は・・・ ★★★★☆ (4・0)

予告編を見てみる
https://www.iammakimoto.jp/

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