映画『遺書、公開。』。
予想以上におもしろかった!
何者かが送りつけた、クラスの「序列」。
そして、序列1位の女子「椿」が自死する。
椿が自死した、理由とは?
前半は、演技が大げさで、
わざとらしく感じられるのですが、
コミックの映画化と割りきると、
意外とはまってくる。
何より、2時間の映画、
生徒25人と担任。
合計26人のキャラクターを
描き分けているのは凄い。
やや極端な演技、演出だから、
わかりやすく見られるのか。
そして、25人、全員が怪しい。
犯人は誰か? というおもしろさ以上に、
人間のダークな部分が、次々と露呈してくる。
心の闇を描いた、怖ろしさ。
おもしろさ。
彼氏は、最高の彼氏だったか?
親友は、本当に親友だったのか?
クラスの人気者への迎合。
他人の目を過剰に気にしすぎながらの、
高校生の友達付き合いは、
本当にたいへんだ。
誰もが「ペルソナ」(仮面)をつけている。
本音は語らない。
そして、
「人からどう見られるのか」
が、全て。
もし、
そんな「作り物」の人間関係が、
バカらしく見えたのなら、
本作の勝利だろう。
よく友達から
「嫌われたらどうしよう」
と心配する人がいますが、
一見、仲の良い友達や親友だと思っていても、
最初から嫌われている・・・のです。
怖ろしいですね。
しかし、それが「当たり前」と思えば、
「嫌われたらどうしよう」という心配に
何の意味もないことに気付くでしょう。
好きだけど、嫌い。
嫌いだけで、好きな点もある。
好きだったけど、嫌いになった。
嫌いだったけど、意外といいところもある。
「好き」か「嫌い」かは、
ゼロか100かではないのです。
混ざり合って存在しているし、
常に揺れ動くもの。
そう考えると、樺沢がよくいう
「人間関係はテキトーでいい」という
名言が本質をついていることが、
よくわかるはず。
「人からよく見られたい」
「人から好かれたい」
というエゴが、嫌われる原因にもなる。
あまり細かいこと考えても、
しょうがないのです。
けれども、
私たちは、必死に生きている。
そのプロセスで、必ず誰かを傷つけているのです。
悪く言えば、傷つけ、傷つけられる人間関係。
しかし、裏を考えれば、
「癒やし」「癒やされる」人間関係にもなる。
だからこそ「本音」を話せる友人が、
1人は欲しい。
そんな友人が、1人もいないと、
精神的に追い込まれていく。
自死した「椿」もその1人。
優等生で友達も多かったはずだが、
本音を話せる友人は、1人もいなかった。
生きづらい高校生。
難しい、高校生の人間関係が、
とても勉強になります。
みたいなことを、
考えながら見ていると、
チョーーおもしろい!!
若手の注目俳優が多数起用されていますが、
そこでの演技、存在感の「アピール合戦」と
見ると、別なおもしろさが出てくる。
遺書を読み上げるだけのシーンに、
どこまで個性を発揮できるのか?
存在感を出せるのか。
観客の記憶に残れるのか。
ストーリーが転がり、
収集不能な大風呂敷、と思われますが、
最後の10分で見事に収まったのには驚きます。
人が自死する理由は、通常は推測不能。
特定の理由を推測したり、
「もし」とか「していれば」という仮定は
意味を持たない。
はずなのですが、本作では、
「物語」として、上手いぐあいに、
腑に落ちる形でまとまっている。
なかなかよくできた作品です。
『遺書、公開。』樺沢の評価は・・・・・・★★★★ (4・3)
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