あまりの涙で、眼鏡がくもった。
映画『羊と鋼の森』に圧倒された。
これぞ映画!!
映像と音、音楽と演技で、全てが表現される。
セリフは少ないが、だからこそイメージが広がる。
1シーン、1カットの作り込みがすごい。
そして、北海道のシーンが妙に懐かしい。
私たちの記憶の底に眠る視覚的な原風景を刺激しつつ、
魂に揺さぶりをかけてくる。
音楽やピアノの素晴らしさ。一方で、音楽、ピアノ、
そしてそれに関わる仕事の難しさの両方が描かれる。
劇場を出るときに前のカップルの男性が言った、
「これって、全て、今の自分の仕事に置き換えられるんだよね」。
それだよ! それ!
君、いいこと言うな。
一言で言えば、「プロ根性」!
突き詰めること。探求の「おもしろさ」と「難しさ」。
それが「仕事」であり、探求に「おもしろさ」を感じたときに、
それが天職になる。
調律師やピアニストに限らない。
どんな職業にも、そういう部分がある。
だから、この映画にものすごく共感する。
あまりの涙で、眼鏡がくもった。
そんなことがあるのか?と思うが、あまりに何度も泣くもので、
涙を指でふいているうちに、
ここ1年でもっとも泣いた映画である。
三浦友和と上白石萌音の演技が、ものすごくいい。
二人ともセリフは多くないが、セリフのないシーンでこそ、
ものすごく感情が伝わってくる。
映像も、演技も、物語も、テーマも全ていい!!
本屋大賞第1位の原作に、映像と演技が完全に掛け算で、
おもしろさを追加している!!
本当に良い映画を見られて、幸せです。
樺沢の評価 ★★★★★ (五つ星。満点です!)
『羊と鋼の森』予告編をチェックする
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