近年、「レジリエンス」という考え方が、
精神科医の間で話題になっています。
うつ病に、なりやすい人、ならない人の違いは何か?
という議論において、「レジリエンス」が鍵になるのです。
レジリエンスとは何か?
「ストレス」は「外圧による歪み」という意味ですが、
「その歪みを跳ね返す力」が「レジリエンス」です。
レジリエンスは、「精神的回復力」「復元力」「心の弾力性」と訳されたり、
「メンタルタフネス」「ストレス耐性」「心の自然治癒力」と
言い換えられたりもします。
私は「心のしなやかさ」という表現が
わかりやすいと思っています。
「レジリエンス」とは何か?
「レジリエンス」についての基本的な知識を再確認しておきたい、
という目的で、
『レジリエンス入門: 折れない心のつくり方』
(内田和俊著、筑摩書房)
を読んでみました。
「レジリエンス」についての基本から、
「レジリエンス」を高める具体的な方法について
わかりやすく書かれていました。
うつ病から回復したもののも「再発」を何とか防ぎたい。
という患者さんは多いものです。
その時にすべきことは、
「有酸素運動」と「レジリエンスを高める」努力です。
あるいは、同じブラック企業に努めていても、
うつ病になる人とならない人がいますが、その違いは
レジリエンスが高いか、低いか。
レジリエンスの高い人は、過剰なストレスがかかっても、
それをしなやかにやり過ごすことができる。
「心のしなやかさ」を身に着けておくことで、
「ストレス」にさらされても、へっちゃらな、
心の体力が身につく、ということ。
社会でたくましく行きていくため、
レジリエンスは必須の能力とも言えます。
具体的には、
レジリエンスの低い人は、以下のような思考のクセ
を持っています。
1 否定的側面の拡大
2 二分化思考
3 「当然」「べき」「ねばならない」思考
4 過剰な一般化
5結論の飛躍
6 劣等比較
7 他者評価の全面的受け入れ
これらの「思考のクセ」を自分で理解して修正していくことが
レジリエンスを高めること。
「ストレス耐性」「メンタルタフネス」を高めることにつながるのです。
ということで、
#「ストレス耐性」「メンタルタフネス」を高めたい人
#うつ病の再発を防ぎたい人
にとっては、非常に役に立つ一冊だと思います。
新書なので、サラッと読めるのもいですね。