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自分の「やりたい」ことをしない!

アメリカでイチローの次に有名な日本人、
無一文から年商250億円になった、
「ヨシダソース」の吉田潤喜会長とお会いしました。

2時間のセミナーのあと、
東京ドームと同じ面積の敷地に立つ
自宅豪邸に招かれてのカクテル・パーティー。

さらに、
「アメリカのロマンティックなレストラン100」
にも選ばれた「リバーサイドレストラン」での食事と、
6時間もの間、吉田会長の話をうかがい、
たくさんの気付きを得ました。

8人という少人数の視察だからできること。
超濃厚な6時間となりました。

私の気付きを、箇条書きで列挙しますと。

#全ては偶然、その偶然をチャンスととらえられるかが重要
#軸をぶらさない
#自分の弱点を知っている人は最強
#素人だから良い発想ができる。ビル・ゲイツもジョブズもコンピューターの素人だった
#吉田ソースは、「ストーリー」があるから売れた
#ポジティブ・リベンジ。「こんちくしょー!」という気持ちをエネルギーにする
#「可愛がられる」経営者が成功する
#10~20年でトレンドは一巡する。昔のものをちょっと変えるだけで新商品になる

などなど。

この中で最も響いた話をシェアします。

ヨシダソース、誕生の秘密。

アメリカの景気が低迷し、空手道場の生徒も激減し、生活にも困る状態。

クリスマスに道場生にブレゼントをもらうものの、
お返しのプレゼントを買うお金もない状態。

そこで、
日本の実家の焼肉屋のタレを再現した
「自家製ソース」を自分で作り、
ブレゼントしたところ大好評!!

もっと欲しい。売って欲しい。
という声が殺到し、妻リンダさんの
「ハニー、これはビジネスになるわね」
の一言に押されて、ソースの販売を始めたといいます。

吉田会長は、
「自分から何かを戦略的に仕掛けたことは一度もない。
 全ては偶然で、偶然は向こうから来る」
とのこと。

私は、この話から、
「真のニーズは自分の中にない」の教訓を得ます。

自分がやりたいこと、したいことは、たいてい失敗します。
なぜならば、そこには消費者の「ニーズ」がないからです。

しかし、
多くの人が実際に「欲しい!」と言っているものや、
「やって欲しい」と言っているものは、「ニーズ」があるのです。

真にニーズがある商品やサービスは、必ず売れます。

ニーズがあって、ライバルがいなければ、
売れるに決まっています。

この話は、私の体験にもそのまま重なります。

私は、本を出版する場合、
「自分の書きたい本」の企画書を書いて、
「自分の書きたい本」を出版してきました。

しかし、それらの本が爆発的に売れることはありませんでした。

しかし、ある日、サンマーク出版の編集者から、
「10年忘れない読書術」というタイトルで本を書いて欲しい、
と出版の依頼を受けました。

私は、
「読書術というのは、有名ビジネス書作家が出してこそ売れる」
と思っていたので、全く乗り気ではなかったのですが、
「読書」自体は大好きだったので、お引き受けしました。

結果、『読んだら忘れない読書術』という本が出来上がり、
15万部のベストセラーになったのです。
 
ここまで読めばおわかりでしょう。
「ヨシダソース」の誕生秘話と
『読んだら忘れない読書術』の誕生秘話の共通点に。

多くの人は、「自分が出したい商品」を商品化します。
「自分の書きたい本」を出版します。

そこにニーズがあるかどうかは、出してみないとわかりません。
結果として、失敗するのです。

「他の人が望んでいる」ものは何か?
「他の人が欲している」ものは何か?
 
それだけではなく、
実際に「ニーズ」として声が上がっている、
という現実が重要です。

「やりたいことで生きていく」というキャッチコピーがありますが、
「やりたいことで生きていく」ことは、現実的には難しのです。

あなたの「やりたい」が、消費者やクライアントの「ニーズ」と
一致しいない限りは、うまくいかないのです。

「人が欲することで生きていく」のが、ビジネス的な正解です。

「人が心から欲するもの」
「人が心から欲するサービス」を提供すれば、
商品やサービスも爆発的に売れて、
消費者やクライアントから圧倒的に感謝されるのです。

多くの人は、自分の「したい」「やりたい」に縛られて、
消費者のニーズや、自由な発想を見失っていいるのです。

自分の「やりたい」ことをしない!

自分の「やりたい」ことを、一旦、手放したところに、
本当のチャンスが見えてくる。

吉田会長の話を聞いて、改めて、そう感じました。