映画『木の上の軍隊』を見ました。
『鬼滅の刃』効果で1日1回上映になっているので、
珍しく夕方16時の回を鑑賞。
見逃さないで良かった。
映画では、「何が描かれているか?」
が注目されますが、本作では
「何を感じるか?」が、問われている気がしました。
前半は、沖縄戦勃発と熾烈な戦闘シーン。
自然豊かで、のどかな伊江島が、
米兵の上陸で一変します。
戦闘というよりは、なす術もなく殺されていく。
血なまぐさい描写が続きます。
後半になると、木の上に隠れ、
生き伸びた2人の兵士のサバイバル。
食べ物もなく、飢餓との闘い。
一転して、いかにして「生きる」
かにフォーカスされます。
前半の「死」の描写と、
後半の「生」の描写の対比が鮮烈。
後半は、
島から出たことがない安慶名(山田裕貴)と
上官の山下少尉(堤真一)のやりとりだけで展開しますが、
スリリングで、全く飽きるところがありません。
貧しいながらも、
普通にご飯を食べて、海を見に行く。
ごく当たり前の生活が、
どれほど「幸せ」であったかに気付く安慶名。
あるいは、戦争の残酷さと空しさ。
仮に生き伸びたとしても、
戦争は強烈なトラウマ(心の傷)を残す。
命の大切さ
戦争の空しさ
限界状況での人間の心理
生きることへの執着
人は何のために生き、何のために死ぬのか
本作から「何を感じるか?」は、
見る人によって、全く違うのではないか・・・
と感じました。
私は、戦争のテーマ以上に、
「生きる」ことへの執着、
「生きる」ことの大切さのテーマが、
心に響きました。
「生きていても意味がない」
「死にたい、死にたい」
を口癖する患者さんが、
本作を見ると、どう感じるのでしょう?
「命」の重要性に多少なりとも気付くのか。
それとも、「人ごと」にしか、思えないのか。
限界状況に陥ったときに
必死に生きようとする人と、
すぐにあきらめてしまう人の2パターンに
分かれます。
その違いは、
おそらくは「つながり」の有無。
安慶名も山下も、それぞれに大切な人がいる。
それを「思う」からこそ、
「生きる」エネルギーにつながっていく。
冒頭に、身寄りが全員戦争で亡くなった
という人物が出てくるが、
「つながりの欠如」は、生への執着を薄くする。
逆をいえば、
もっと「つながり」を強く持つことで、
私たちは「生きる力」を
強めることができるのでは・・・。
そんなことを思いました。
満員の場内。
ラストシーン。
隣の20歳くらいの女性が号泣して、
5、6回も涙をふいていました。
多分、私とは感動ポイントが違う気がしましたが、
彼女の心が大きく動かされたことは、
間違いなさそうです。
見る人によって、
おもしろさや感動ポイントも変わってくる。
万華鏡のような作品。
見てよかった。
『木の上の軍隊』樺沢の評価は・・・・・・ ★★★★☆ (4・5)
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