新入社員や若手社員とのコミュニケーションで
とても苦労しているという話を、
経営者や管理職の方から、よく聞きます。
厳しく叱るとクシュンと落ち込んでしまう。
優しくするとつけあがってくる。
コミュニケーションをとろうと飲みに誘っても、
「お酒は飲みません」と言われる。
昔風のコミュニケーションが、
今の若者には全く通用しないのです。
結果として、部下の顔色や機嫌をうかがうような
おかしな対応をしている方も・・・。
今の若者は、親や教師に叱られたことがあまりない。
「叱られる」免疫がないので、
「叱る」ことによって過剰な反応をとることがあります。
一方で、こんな調査もあります。
入社3年目までの社会人609人に対するアンケートによると、
「正当な理由があれば、上司や先輩に叱られたいと思うか」
という問いに、
「とても思う」と答えた人が34.2%を占めたといいます。
「やや思う」の44.3%を加えると、
78.5%が「叱られたい」と回答。
新入社員の約80%もが「叱られたい」と
答えているのです。
これは、どういうことなのでしょう?
心理学的にみて、「父性に飢えている」のです。
「父性」というのは、自分が尊敬、信頼できる存在です。
父親や教師か、「父性」として機能しない場合が多い昨今、
若者は「父性欠除」で、父性に飢えているのです。
ですから、「信頼できる上司」から叱られたい。
上司と部下の強い信頼関係に憧れの気持ちを持っています。
しかし、叱り方が結構重要で、
昔だとよくあったと思いますが、
人格を否定するような言葉を言うと
立ち直れないようなダメージを受けたり、
次の日から仕事に来なくなったりすることが
実際にあるのです。
では、今どきの若者とどのように信頼関係を築き、
どのように叱ればいいのか?
キーワードは「父性」です。
父親のように接する、ということ。
大げさに言うと、父親代わりになる、
と言ってもいいかもしれません。
部下から「父親のような頼れる存在」と認識されれば、
人間関係はとてもうまくいくとと思います。