昨日の飲み会の席で。
私の友人の一人が、仕事が猛烈に忙しくて、
最近、ほとんどまともに眠れていない、とのこと。
顔色も悪いし、覇気がないからどうしたのかと思ったら、
「睡眠不足」だったのです。
「睡眠を削ると寿命が縮まるから、
どんなに忙しくても睡眠だけは削らない方がいいよ」
というアドバイスをしました。
「仕事が忙しいので睡眠時間がとれない」
という人は、たくさんいるでしょうから、
昨日の話を、データなども付記して再録しておきます。
忙しい人に限って、睡眠時間が短くなる傾向があります。
睡眠時間を削って仕事の時間に当てようということですが、
これは、仕事の効率を確実に下げると同時に、
健康も害し、命を削る行為なので、絶対にするべきではありません!!
アメリカで100万人を対象行われた、
大規模な睡眠時間と寿命に関する追跡調査では、
一日6.5時間〜7.5時間の睡眠時間の人が最も死亡率が低く、
それより多くても少なくても、
寿命は短くなる傾向が観察されました。
いろいろな研究を総合すると、
睡眠時間7時間前後の人が、最も長生きできる。
睡眠時間、6時間をきると、様々な健康上の問題が現れ、
寿命が短くなる。
ということが言えます。
睡眠時間を削るとがんのリスクは6倍、
脳卒中のリスクは4倍、
心筋梗塞のリスクは3倍、
高血圧のリスクは2倍、
糖尿病のリスクは3倍以上へと跳ね上がります。
日本人男性を対象にした研究で、
睡眠時間が6時間以下の人は7〜8時間の人に比べて
死亡率が2・4倍高くなる、という報告もあります。
睡眠を削ることは、命を削ることに等しいのです。
睡眠を削って仕事をしても仕事がはかどればまだいいのですが、
睡眠を削ると、翌日以降の集中力が大きく下がりますので、
トータルで仕事の効率を大きく下げて、時間を失っているのです。
8時間睡眠を基準として、6時間、4時間の睡眠時間を
14夜連続観察し、脳機能への影響を調べてした研究があります。
それによると、作業機能、認知機能、覚醒維持機能の全てが、
8時間睡眠に対して6時間睡眠、4時間睡眠と順に日を追うごとに
悪化していました。
6時間の睡眠でも認知機能の低下が認められるのです。
別な研究では、人が日中に明晰な状態を維持するためには、
7〜9時間の質の良い睡眠が必要であると報告しています。
ということで、
忙しいから、仕事が終わらないので、睡眠を削る。
↓
睡眠を削ると、集中力が低下して、仕事がはかどらないので、
やはり仕事が終わらないので、もっと忙しくなる。
↓
忙しいから、睡眠を削る。
睡眠削減の「負のスパイラル」。
この「負のスパイラル」に入ってする人が、山ほどいます。
では、「忙しい」人はどうすればいいのか?
どんなに忙しくても、「7時間の睡眠を確保する」ということです。
朝7時起きの人は、12時には、仕事をやめて
必ず布団に入る。それを、ルールにすることです。
きちんと睡眠をとれば、仕事ははかどるようになります。
忙しいから睡眠を削るのではなく、
忙しいから睡眠を増やすのです。
嘘だと思ったらやってみてください。
睡眠時間を確保した方が、
圧倒的に集中力が高まり、仕事の効率もアップして、
「忙しさ」から解放されるのです。