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健康のさらに上の状態を目指しませんか?

新潟にて「日本精神神経学会」に参加しています。

今回の一番私が楽しみにしていたセッションが、
シンポジウム「ポジティブ精神医学の産業メンタルヘルスの活用」です。

昨年も、「ポジティブ精神医学」もおもしろかったのですが、
今回も非常にためになりました。

「ポジティブ精神医学」というのは、
「ポジティブ心理学」を「精神医学」に応用したものです。

従来の精神医学では、病気の治療をめざします。
つまり、「病気ではない状態」「健康な状態」を目指します。

しかし、全ての病気が治るわけではない。
例えば、「うつ病」でも、90%は寛解しますが、

10%は寛解しない。つまり、難治化、遷延化する。
つまり、治らない。

そうした患者さんに、どう対応するかというと、
正直どうしょうもない。

多剤併用になったり、薬の投与量が増えたり、
むしろ泥沼に陥ります。

「ポジティブ精神医学」の目標は、
「病気を治すこと」を目的としません。

「ウェルビーイング」を目的とします。

「ウェルビーイング」というのは、
直訳すると「幸福」とか「 身体的・精神的・社会的に良好な状態」
という意味ですが、意訳すると「今よりも良い状態です」。
より健康で、より幸福な状態です。

病気の人は、症状を軽減する。
寛解した人は、社会復帰をめざす。
健康な人は、よりパフォーマンスが高い、
バリバリ働ける状態を目指します。

「病気予防しましょう」といっても、今、健康な人には、全く響きません。

しかし、「ウェルビーイング」を目指しましょう。
今よりも、もっと調子の良い状態。

心身も調子がよく、頭の働きも今よりもキレキレの状態を目指しませんか?
と言われると、誰もがそれを目指したいはずです。

「健康」を、単なる「病気でない状態」とイメージする人が多いので、
「健康」のさらに上を行く「ウェルビーイング」の概念はおもしろい。

従来型の精神医学は、「原因」を発見して治療する。
問題解決型の対照法です。
つまり、マイナスの部分を発見して、対処していきます。

ポジティブ心理学は、
「今できている部分」に注目し、そこを伸ばしていきます。

例えば、うつ病が治らないという患者さんでも、
「週1回散歩できている」ということであれば、
それを「週2回」に増やしていきましょう。
「週3回」に増やしていきましょう、というアプローチをします。

治っていない部分があっても、
より活動範囲を増やし、部分的でも良いので、
社会復帰、社会参画を目指していく。

問題解決型の面接では、
「調子が悪い点」「具合が悪い点」に注目するので、
気分も暗くなります。

ウェルビーイング型の面接では、
「調子の良い点」「うまくいっている点」「出来ている点」に注目するので、
患者の気分は明るくなり、前向きになり、モチベーションも上がります。

従来型、問題解決型の診断や治療はもちろん必要ですが、
そこに「ウェルビーイング」の考え方を加えることで、
多くのメリットが得られるのです。

会社においても、同じです。

ほとんどの会社は、問題解決型です。

うまくいっていない点、改善点を見つけ出して、
そこを修正していく。

社員の失敗や欠点に注目し、そこを修正しようとするので、
社員のモチベーションは下がります。

社員は、「大きな結果」をめざすことはなく、
「マイナスにならない」ことを最優先します。

社員の画期的な提案も、瞬時に却下し、
新しいブロジェクトの開始にも消極的です。

「ウェルビーイング」型の企業は、
うまくいっている点を伸ばします。

うまくいっている分野を拡張し、
結果を出している社員に大きな仕事を任せていく。

そして、社員の長所を伸ばします。
適材適所で人材を配置、社員の提案も積極的に取り入れる。
社員のモチベーションもアップします。

様々なアイデアや提案が活発に行われるので、
イノベーション(革新)が起きる可能性も高いのです。

子育ても同じ。
「悪いこと」「失敗」に注目して、そこを強制的に修正、矯正しようとすれば、
萎縮した子供になります。

「長所」「できること」に注目して、そこを伸ばすようにすると、
自分に自信をもてる、自己肯定感が高い子供に育ちます。

「うまくいってない点」「悪い点」「短所」に注目するのか?
「うまくいっている点」「良い点」「長所」に注目するのか?

「うまくいっている点」に注目しのばしていく
「ウェルビーイング」思考を取り入れると、
病気も治りやすく、
人も会社も、ものすごく成長するのです。

「うまくいってない点」と「うまくいっている点」。
あなたは、どちらに注目していますか?

【ポジティブ心理学、ポジティブ精神医学を学べる本】

■『幸せはあなたのまわりにある─ポジティブ思考のための実践ガイドブック』
(須賀英道著、金剛出版)

今回のシンポジストの一人である龍谷大学、須賀英道先生の本。

ポジティブ心理学の全体像と、ポジティブ思考のためのワークなどが
わかりやすく学べる一冊。

■『ポジティブ精神医学』
(ディリップ・ジェステ著、金剛出版)

ポジティブ精神医学の決定版的な一冊。
内容が、本格的、網羅的なので、専門家向けです。

■『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』
(ショーン・エイカー著、徳間書店)

ビジネスマン向け、ポジティブ心理学の最高の入門書。
翻訳も素晴らしく、内容も非常にわかりやすい。
とにかく「行動」したくなる一冊。

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