最近、若者の間で「タイパ」という言葉が流行っているそうです。
「タイパ」とは、「タイムパフォーマンス」、
時間対効果の略語です。
タイパを高めるために、
映画やドラマを2倍速で見る人も多いとか。
2時間で映画1本見るところを、
倍速視聴すると、2時間で2本見られる。
なので、「タイパが2倍良い!」というわけです。
みなさん、映画を何のために見るのでしょう?
私は、
「魂を揺さぶられる映画を見たい!」
「感動する映画を見たい!」
と思っています。
つまり、「感動」というかけがえのない体験をするために
映画を見るのです。
倍速視聴して、「この映画は、人生で最高の映画だ!」
というかけがえのない体験ができるのでしょうか?
多分できないと思います。
私は、映画を2本見ると、
1本は感動して泣きます。
つまり、4時間で2本の映画を見る私は、1本の感動作品と出会えます。
しかし、倍速視聴する人は、
4時間で4本の映画を見ることができますが、
1本も感動する作品と出会えない・・・
という残念な結果に。
とするならば、タイムパフォーマンスは、4分の1以下。
いや、10分の1以下ではありませんか?
倍速で2本見るくらいなら、
「どの作品を見るか」を十分に吟味して、1本の映画を集中して見る。
感動する作品と出会える確率を高める。
それこそが、真の「タイパを高める」ことではありませんか?
昨日の夜、
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
(以下『エブエブ』)を
見ました。
最高に面白かった。
こんなおもしろい映画は、数年に1本!
というレベルです。
そして、本日、午前中、アカデミー賞授賞式がありました!!
映画ファンであり、映画評論家である私は、
毎年、アカデミー賞授賞式は、WOWOWで生で視聴します。
当然、本日のアカデミー賞授賞式も生視聴しました。
今年のアカデミー賞授賞式も良かった!
11ノミネートされていた『エブエブ』が、
7部門を受賞したのです!!
主演女優賞のミシェル・ヨー、助演男優賞キー・ホイ・クァン、
監督、脚本のダニエルズもアジア系。
アジア旋風が巻き起こりましたね。
特に、『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984)、
『グーニーズ』(1985)で子役として活躍していた
キー・ホイ・クァンが、51歳となって
アカデミー助演男優賞を授賞。
人生最高の瞬間を迎え、その喜びを表現したスピーチに感動し、
涙があふれました。
昔、香港映画で大活躍したミシェル・ヨー。
本作では、主演女優賞を授賞。60歳ですよ。
また、本作で、助演女優賞として活躍した
ジェイミー・リー・カーティスは、64歳です。
今回は、アジア系だけではなく、
中高年の活躍が目立ちました。
57歳の私も、非常に勇気付けられるものがありました。
何度も、泣きながら、授賞式を見ていました。
4時間の授賞式が、アッという間でした。
なぜそこまで感動的だったか・・・というと、
今回7部門を授賞した『エブエブ』を、昨日見たからです!
昨日、映画を見て、チョー感動した。
その感動覚めやらぬ状態で、今朝、アカデミー賞授賞式を見たので、
授賞式の感動が、何倍にも増幅されたのです。
つまり、同じ4時間の授賞式を見るにもかかわらず、
『エブエブ』を見ていない状態と比べて、3〜4倍は感動した。
つまり、同じ時間の投資に対して、効果が3倍になったわけですから、
タイパが3倍以上になったのです!!
『エブエブ』がアカデミー賞の
主要部門を授賞することを見越して、
意識的に、わざと前日に鑑賞したのですが、
その予想は、大当たりしたのです。
同じ時間に、たくさんの行動を詰め込んで、
体験や感動の質を下げることは、
本当に「タイムパフォーマンス」を高めているのですか?
同じ時間を使って、2倍、3倍感動した方が、
「タイムパフォーマンス」が高いのではないですか?
皆さん、「おもしろいことがない」と口癖のように言いますが、
「おもしろい映画」も、2倍速で見ると、
感動しようがありません。
「おもしろい」ものも、「おもしろくなくなる」のです。
映画やドラマの倍速鑑賞は、
ビールを水で2倍に薄めるようなもの。
量が2倍になった!
と、うれしいですか?
そのまま飲めば、おいしいビールも、
2倍に希釈すれば、
まずいビールを2杯飲む。
罰ゲームになってしまいます。
ということで、
「タイムパフォーマンス」を高めるつもりでやっている行為が、
実は時間の質、体験・感動の質、人生の質を下げているのではないか?
と思うのです。
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