いつも絶賛系の「超おすすめ映画」を中心に紹介していますが、
たまには「辛口の映画批評」をお届けします(笑)。
世界興行収入記録9億ドル超えの映画『ジュマンジ』。
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの独自製作・
『スパイダーマンシリーズ』の記録を越えて
歴代1位の興行記録となりました。
大ヒットした映画はおもしろいのか?
というと、必ずしもそうとは言えません。
大ヒットするということは、
普段映画を見ない人が、「おもしろい」
本のベストセラーも、滅多に本を買わない人が買わないと、
100万部という数字には絶対なりません。
つまり、大ヒット映画も、大ベストセラーも、
「一般受けしやすい」という共通点はあるわけですが、
大ヒット映画が、
大ベストセラー本が、
というと、そうでないケースの方が多いはずです。
ということで、
『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』は、
それほど期待したわけではありませんが、
その「期待しない通りの映画」というのが、率直な感想です(笑)
本来の自分の性格と真逆のプレイヤーとなって、
他のキャラを演じることで自己成長していくという展開は、
心理学的には結構おもしろい!
と序盤では思いましたが、
テレビゲームのありがちの展開をそのまんまパロディにしているの
あまりにも予定調和で、展開に意外性がゼロなのです。
昔のジュマンジのワクワク感は全くありません。
この映画から得られる重要な気付きは、
アメリカ人は「学園モノ」が大大大好きなんだな、ということ。
実際、この映画は、アクション映画というよりは、
「学園コメディ」と言ったほうが正しいでしょう。
完全に学園もののノリでストーリーが展開しますが、
日本人にとってこのノリはついていけない。
ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラックは好演していて、
ジャック・ブラックの演技は笑いなしでは見られない。
というか、彼が重要な役で登場している、ということで
やっぱり基本「コメディ」なのです。
ということで、この映画がアメリカで大ヒットしたのは、
「学園コメディの変化球版だから」と、
と冷静に分析するわけです。
ということで、「学園コメディ」を見たい人にはおすすめの映画。
アクション映画を期待すると、
樺沢の評価 ★★★
追記(2018/04/12)
『ジュマンジ』の辛口記事を書いてみたが、実は結構おもしろい部分もある。
本来の自分の性格と真逆のプレイヤーとなって、他のキャラを演じることで
自己成長していくという展開。心理学的は「ロールプレイ」という。
自分ではない役割を演じることで、「気付き」や「発見」を得るという手法。
主人公たちは、
「ジュマンジ」というロールブレイング・ゲームの主人公になる中で、
心理学の「ロールプレイ」をすることで、
「気付き」を得て成長して、他人の弱さに共感して、
自分の強みに気づいていく、という物語。
この部分にフォーカスして見てみると、
意外とよく出来た映画にも見えてくる。