書評/映画評

愛に乱暴 ~乱暴に心を揺さぶられた!

『愛に乱暴』を見ました。

「わからない」「難しい」。

SNSには、そのような感想が出ていたので、
「難しい」映画が好物の私としては、
とても楽しみでした。

私が、
わかりやすく解説してやろう!
と言う意気込みで、

映画を見たら




こりゃ、

「わからない」「難しい」。

確かにそうだ!

映画を見て「わからない」
と思ったら、
みなさんすぐに検索して、 
解説投稿、解説ブログなどを
読んでしまいます。

自分で考えたらいいのに・・・。

映画や小説は、
自分の「脳」と「魂」と向き合い、
徹底的に自己対話する絶好のチャンス!

なのに、
すぐに「答え」を見てしまう。

何の成長にもつながらない。
SNS文化の弊害です。

私も、映画を見終わった直後は
「わからない」の連続だったのですが、
一夜明けて、脳も感情も整理されました。

というか、魂をゆさぶり、感情の嵐を巻き起こし、
思考を停止させるような、パワフルな映画だった・・・
と一夜明けて、気付くのです。

平凡で幸せな家庭で暮らす
主人公の桃子。

日々の小さな幸せに、
笑顔も多い。

はずだった。

その「幸せ」が少しずつ
ほころびはじめ、
やがて・・・。

作品のテーマ。
本作は何を伝えたかったか、などは置いておいて、
自分はどう感じたか? 
が重要な作品。

徐々に狂気にとらわれ、
奇行に走る桃子。

あなたは、「理解不能」と思う。

では、
あなたが桃子で同じ状況に置かれたとき。
平常心でいられるだろうか?

愛する夫。
親切な姑。
親身な元上司。

全てが「はりぼて」で、
自分のことなど、1%も心配していなかった!?

自分のトラウマをケアしてくれる人など
誰もいない・・・のです。

そんな「日常」が全崩壊して、
正気でいられるのか?

改めて思うのは、
これは「特殊な状況」なのか?

誰もが、
「本音と建前」の世界で生きている。

かろうじて、「建前」が崩壊しないせいで、
「普通」「正常」「正気」を保っている
だけではないか・・・と。

非常に特殊な状況を描いているようで、
誰にでも当てはまる話。

いや、私自身も、
本当は「裸の王様」かもしれない・・・。
と、ドキッとするのです。

本作を「理解」するのは難しい。
でも「共感」なら、誰にでもできる。

というか、
もうすでにできているはずなのです。

自分の心の中に湧いた感情。
揺さぶられた何か。

そこに向き合ってみる。

そうすると、日常生活では絶対に得られない
滅多にない「気付き」が
得られるはず。

自分で感じ取って、自分で考える。
自己洞察力が養われ、
自己成長に繋がっていく。

ストーリーのつじつま合わせ。
細かい描写の意味は、
後からじっくり考えればいい。

原作は、『悪人』『怒り』などで知られる
芥川賞作家・吉田修一の同名小説。

江口のり子の迫真の演技。
前半と後半の、表情のギャップは、
見応えがあります。

SNSで、
「作品のテーマがわからない」という書き込みを
見ましたが、
作品のテーマを一行で要約できる作品なら、
人の魂を揺さぶらないと思うのです。

『愛に乱暴』は、
私たちの心を乱暴に揺さぶってくる。

そこに何を感じるのか?
『悪人』『怒り』も同様。

あなたは、何を感じるのか?
が問われている。

その答えは、
原作者や映画監督の頭の中にない。

それは、 
あなたの心の中にある。
それも、少し奥の方に。

だから、たいせつなもの(こと)は、
自分で「掘らないと」見つからないのです。

(桃子が穴を掘るシーンは、そんなメタファーか)

魂と感情を、乱暴に揺さぶられたい人。
自分で考えて、自分の答えを見つけたい人は、
見るべし。

ただし、「楽しい」。
安易なエンタメ作品ではないので、
覚悟が必要な作品です。

『愛に乱暴』 樺沢の評価は・・・・・・★★★★ (4・4)

『愛に乱暴』の予告編はコチラから
https://youtu.be/E4WIw1LSQf0

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