書評/映画評

明け方の若者たち ~「こんなはずじゃなかった」の対処法

今年、劇場で2本目。
映画『明け方の若者たち』を見ました。

20代の頃、友人や彼女(彼氏)と朝まで飲み明かしたことは、誰でもあるはず。
そんな懐かしい「思い出」を思い出させてくれる甘酸っぱい作品。

あるいは本作は、自分の人生を「客観視」する
きっかけになるかもしれません。

主人公「僕」(北村匠海)は、
大企業に就職し「人生の勝ち組」になったと思いきや、
配属されたのはなんと「総務部」。

社会人になって、「こんなはずじゃなかった」
と思うことは誰にでもあるはずですが、
「僕」もその一人。

社会の不条理を感じながらも、
転職する勇気もない「僕」は、
流されるように生きていきます。

並行して描かれる「彼女」(黒島結菜)との恋愛関係。
そこにおいても、「僕」は主導権を持ちません。

そこが「問題」であるはずなのですが、
「僕」はその「大きな流れ」に逆らうことはない。
仕事でも、恋愛でも・・・。
それが、「良い」のか、「悪い」のか?

観客である、私たちはどう感じるのか? 
「もっと、自分から行動しろ!」と思うなら、まず自分が、
実生活において、そうするべきなのです。

つまり、「僕」(劇中に名前は登場しない)という主人公は、
流れに逆らえない大多数の社会人の「記号」、
というか「典型的、代表的存在」として描かれているのです。

普通に「見る」だけだと、「よくある話」です。

ただ、もし自分ならどうする? 
とシミュレーションすることで、
「自分の人生、一回きりなんだから、もっと主体的に生きるべきだ!」
という気付きが得られるのではないでしょうか。

私の個人的な体験で言えば、
「こんなはずじゃなかった」という体験を、
そのたびにフィードバックして、
100回ほど「こんなはずじゃなかった」を補正すると、
ようやく自分らしい人生を生きられると思います。

一回、二回の「こんなはずじゃなかった」で、あきらめるな! 
と「僕」(=みなさん)に言いたい。

キャラや主張が、強すぎず、弱すぎない。
普通の会社員を普通に演じている北村匠海。
いい味出しています。

『明け方の若者たち』樺沢の評価は・・・ ★★★★ (4・2)

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コメント

  1. 松濱真由美 より:

    かばちゃん好き。

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