書評/映画評

人形も言語化によって進化する! 『バービー』がチョーおもしろかった!

映画『バービー』が、チョーーーーおもしろい!!
おバカなコメディ映画でありながら、風刺が強烈。
 
男性社会と女性差別。
からのフェミニズム運動からの、男性への逆差別。
性の商品化。
性と人権の循環する歴史を、早送りで見せてくれる。

あるいは、人種や外見の多様性。
さらにアイデンティティや承認欲求。
死や老いの恐怖。
自分らしく生きる、
「いまのままでいい」「変化するか、変化しないか」などの
自己啓発のテーマが、「これでもか」とてんこ盛りです。

そして、「これでもか」というほどに丁寧に、
いや過剰なほどに言語化されています!

「言語化」というのも、本作の裏テーマでしょう。

言語化によって、人たち(バービーたち?)の行動が劇的に変化する。
進化する!!
一方で、「言葉」によって、洗脳され、惑わされる。

さらに、セリフにも「言語化」という言葉が登場していたのは、
うれしかった。

『君たちはどう生きるか』で、説明不足! 分かりづらい!
という批判がありましたが、
丁寧に、詳しく、これでもかと言葉で解説すると、
本作のように「押しつけがましい」、チョーうざい作品になるのです。
これも、本作では狙って、意図的にやっています。

ファーストシーン。
巨大なバービーの登場と、少女の凶暴化。
『2001年宇宙の旅』のパロディですが、
『2001年宇宙の旅』が、人間の暴力の歴史を描いた作品であるように、
『バービー』は、人形(バービー)の進化の歴史であり、
性差別、性と人権の歴史が凝縮されているのもおもしろい。

人形は、「言葉」「言語化」によって進化する!
のです。

バービーの販売するマテル社が、
映画化の資金提供をしているわけですが、
「バービーが女性の社会進出を何十年も遅らせた」
「バービーは、今どき時代遅れ」
といった、自虐的なセリフにも驚かされました。

廃盤、販売中止された過去のバービーも
度々登場して、「裏歴史」を笑いに変えているのもおもしろい。

美化するだけの押しつけがましいCMと対象的で、
「自虐ネタ」も入ることで、視座が中立化されるのです。

バービー対ケン。
それが、「女性の権利」VS「男性の権利」といった
対立図式に発展していくのは、予想外の展開。

バービーの添え物にすぎなかったてケンは、
自分のアイデンティティに悩み、苦しみ、
極端な形で自分の居場所を作り出していくのです。

一報で、バービーは、自分が特技や特徴のない「定番バービー」
であることにコンプレックスを持ちます。
外見もスタイルも、最も優れているにも関わらず・・・。
 
これらは、バービーランドの話として展開されますが、
言うまでもなく我々人間世界の話そのもの。
漫画的に、極端に描くことで、「笑い」にしながら、
女性の権利や差別、社会進出の歴史を描きながら、
人間誰もが持つ本質的な「悩み」「コンプレックス」
「苦しみ」に迫っていきます。
 
大笑いするコメディ映画でありながら、社会風刺が鋭く、
精緻な人間観察の視点が盛り込まれた最高の社会派映画!!

これは、「傑作」と言って良いのではないか。
少なくとも、2023年に見逃してはいけない映画の一本でしょう。

気楽な気持ちで見に行くと、ハシゴを外される。
油断ならない映画。

『バービー』樺沢の評価は・・・・・・ ★★★★☆(4・5)

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