口コミで全米4館から1084館に拡大上映し、
全米ヒット作となった話題作。
一方で、「つまらない」「眠たいだけ」という口コミある。
ミニシアター系なので、賛否両論に分かれることはあるだろう。
問題は、自分にとっては、どちらの映画か、ということ。
結論から言うと、おもしろい!!
そして、まさかの号泣!!
エイス・グレード、「8年生」は、
アメリカの小中学校における最終学年。
無口で超超超コミュニケーション下手な13歳の少女、ケイラ。
どこまで「敏感」で「繊細」なんだ!
敏感、繊細にもほどがある。
そんな、
彼女の「8年生」最後の一週間を描いた作品。
何か凄いドラマがあるわけではない。
コミュニケーション下手な少女の「ありふれた日常」が描かれるだけ。
なので、最初の15分は、ものすごくつまらないし、眠たくなる。
しかし、彼女な中で「何か」が変わりはじめる。
彼女は、13歳でありながら、
毎日、動画配信をしているのだ!!
動画の中での彼女は饒舌であり、ちょっと大人の女の子を演じている。
しかし、再生回数は、2回とか0回。
誰も見ない動画を、毎日撮り続けるケイラ。
「現実の自分」と「理想の自分」。
「理想の自分」を演じる楽しさで続けているが、
「現実の自分」とのあくりのギャップに、動画をやめたくなる。
2年前のタイムカプセルを開けて、
2年前の自分への動画メッセージを見るシーンも興味深い。
「2年前の自分」と「今の自分」。
そのギャップ。
そのギャップに直面して、彼女の行動は、ちょっとだけ変化していく。
そう、「無口」や「コミュニケーション下手」を自覚し、
なんとかしようと「行動」を起こす。
無口で超コミュニケーション下手な少女。
それは、決して少数派ではないはず。
むしろ多数派だ。
SNSも普及した昨今、
友達との「つながり」を過剰に意識するが、なかなかうまくいかない。
それって、多分、ほとんどの人が、そうではないのか?
最初から、コミュニケーション上手で、
友達がたくさんいる人なんて、そうそういない。
気の遠くなる努力を積み上げながら、
友達一人ひとりとつながっていく。
私の場合、高校の頃は。無口で、友達も少ない。
多分、こんな感じだったはずだ。
そんな、SNS時代の繊細な子供たちの心理が、
極めてリアルに描かれている。
それがたくさんの人達の共感を呼び、本作がヒットした理由だろう。
物語は、淡々と進む。
途中までは、
「まあ、普通の青春映画か」と思っていると、
最後の10分くらい。卒業式を前にした状態で、
たたみかける展開がある。
別に悲しいシーンではない。
しかし、なぜか涙が流れて止まらなくなる。
「ほんの一かけらの承認」を得たくてもがき苦しんでいた少女が、
ちょっとした勇気で、「ほんの一かけらの承認」を得るからである。
「承認欲求」は大切。
マズローの欲求5段階説を持ち出すまでもなく、
みんな知っている話だろう。
でも、「承認欲求」を満たすのに、
「すごい承認」が必要なわけではない。
自分を必要としている人が一人でもいる。
たった、それだけ人は幸せになれる!!
わかりやすく言うと、
動画の再生数が「1」増えて、「1いいね」つくだけで、
人は幸せになれるということ!!
「ほんの一かけらの承認」を得るには、
「ほんの一かけらの勇気」があればいい。
コミュニケーションが苦手。
友達がいない。友達が作れない。
人から認められない。
そんな人に是非、見て欲しい作品。
ケイラは、母親が離婚した、父子家庭。
その父親との描写も良い。
多感な時期の少女の「怒り」や「苛立ち」のはけ口とされる父親。
あとても可愛そうな父親、
そんな父親に救いはあるのか。
反抗期の娘に、冷たくあしらわれている「お父さん」にも、
とても勇気を与える映画でもある。
『エイス・グレード』 樺沢の評価は・・・ ★★★★☆ (4・6)
2019年のベスト10に入る水準。
魂を大きく揺さぶられた!!
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