書評/映画評

炎上される者になれ!  ~ホリエモンはメンタルが強いのか?

自分の本の執筆に追われていて、読んだ本のアウトプットを
全くしていないことに気付きました。

月20冊は読んでいるはずですが、
タイトルすら紹介できていなかったので、
少し本の紹介もしていこうと思います。

『GOETHE(ゲーテ)』2019年 06 月号
『「ホリエモン」という生き方』

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の特集の中で
「スペシャリストが読み解く! ホリエモンの嫌われる勇気」
というコーナーに記事を書かせてもらいました。

なぜ、「堀江氏は炎上を怖れないのか?」というお題をいただきましたので、
それに関連する堀江氏の本を、4冊まとめ読みしました。

『自分のことだけ考える』
『多動力』
『本音で生きる』
『バカと付き合うな』

の4冊。

その中で、私が一番面白く読んだ『自分のことだけ考える』 に
ついて詳しく書きたいと思います。

それぞれの本は、それぞれの魅力があるし、
自分が置かれたシチュエーションによって、
どれに共感するかは全く変わってくるでしょうが、
『自分のことだけ考える』は
サブタイトルが「炎上される者になれ!」とついているように
「情報発信」をテーマにしているので、
「情報発信」をしている私としては、
他の本よりも強く共感できたのです。

一言で言うと、

炎上や批判を怖れるな!
人の目なんか気にせず、もっと自由に生きろ!
「自分のこと」だけ考えて、
「自分のやりたいこと」をもっと実現しろ!

という内容です。

私が、YouTubeやメルマガでお伝えしている内容と
ほとんど変わらないものです。

他人の顔色やご機嫌をうかがう生き方では、
絶対に幸せにはなれない!
そろそろ日本人も気付くべきでしょう。

あなたの上司のご機嫌をうかがっても、
会社をやめてしまえば、全くの他人です。

あなたの親の顔色をうかがっても、
あなたの親は多分、あなたより先に亡くなります。
親の言う通り生きても、親はあなたをほめてくれません。

あなたの人生の責任は、自分でしか負えないのです。

本書の中から、共感する一節を引用しながら、
読み解いていきましょう。

重要なのは「自分がどう言われるか」「どう思われるか」ではなくて、
「自分が何をするのか」「それによって何が変わるのか」ということ
価値のあること、信念を持てることなら、人の目は気にせず、
ぐいぐい前に進んだほうが絶対に「勝ち」だし、面白い。

逆を言うと、
「自分の信念を持てること」や「やりたいこと」が定まってないから、
他人の言葉や評価に気をとられる、わけです。

自分のビジョンさえ固めれば、あとは他人の評価は気にせず、
突き進めば良いのです。

炎上の効用として「コスパのよさ」が挙げられる。
こうしたしっかりとした議論、問題提起になるならば、 炎上は大歓迎。
「ポジティブな炎上」とは、皆が知るべきことが正しく広まったり、
建設的な議論のきっかけになったり、自分の信念を嘘偽りなく自分の
言葉で伝えることができたりと、結果的に物事が進む炎上だ。
そんな炎上なら怖がることはないし、むしろ炎上を歓迎すべきだ。

堀江氏は、「炎上」を「拡散」と考えているようです。

たくさんの人に読まれ、議論され、
提起した問題についての議論が深まり、認知度が広まる。

それで良いじゃないの、と。

その目的が達成されるならば、
ネガティブなコメントが多いか、少ないかということは、
関係ないでしょう、と。

確かに、その通りです。

多くの人は、拡散は歓迎するけども、炎上は怖れる。

では、「拡散」と「炎上」の違いは何だろう?

否定的コメントが多いと、「炎上」か?

10万人が読んで、1万人が肯定派、9万人が否定派だった場合は、
「炎上」か?

10万人が読んで、5万人が肯定派、5万人が否定派だった場合は、
「炎上」か?

100人しか読まれない記事で、50人に肯定してもらうより、
10万人に読まれて、1万人肯定してもらったほうが、
仮に9万の否定派がいたとしても。

その肯定派、1万人の人が行動を起こしたら、
凄いことが起きるのではないでしょうか?。

否定派の人は、現状維持派。何も行動しないし、
否定したことすら すぐに忘れるので、どーでも良いのです。

私も情報発信をしていて思うのは、
「読まれない」のが一番つらいこと。

多くの人に知ってほしい知識が真に拡散するのであれば、
「炎上」も「拡散」も関係なく、
自分が多少バッシングされても、どうということもない。

そういう情報発信者としての挟持があるならば、
「炎上」なんて全く怖くありません。

もちろん、
ほとんどの人はそんな覚悟はないでしょう。

しかし、堀江氏はその覚悟ができているから、
「炎上」を何とも思わないのでしょう。

失敗を怖れ、前に進めなくなっている日本への提言。

「失敗しても、どんどんやってみればいいじゃん」という発想の欠如が
日本の産業を蝕んでいる。

新しいチャレンジを妨げる日本の風土病は、
産業の競争力にも深刻な悪影響をもたらしている。

この考察は、全く正しいと思います。

とは言え、「人の足を引っ張りたがる人」は消えることは無いでしょうから、
レベルの低い誹謗、中傷は無視して進むしかないでしょう。

その果敢な姿を見せてくれているのが、
堀江氏自身の発言であり行動です。

5月4日、堀江氏が出資するスタートアップ企業
「インターステラテクノロジズ(IST)」が、
小型の観測ロケット「MOMO(モモ)」3号機の打ち上げに成功。
日本の民間企業が単独で作ったロケットが宇宙空間に達するのは初めてのこと。

過去の打ち上げ失敗で、散々バッシングされながらも、
そんな横槍は無視して、開発を続け、打ち上げ成功させたのは凄いことです。

なかなか自分に自信を持てない若者に対して、
失敗を怖れず突き進む勇気を、自ら示している。
とても良い「モデル」になっていると思います。

これからの時代は、宇宙産業の時代。
ロケット打ち上げを絶対に成功させる!
という、確固たる「ビジョン」があったからこそ、
誹謗、中傷、横槍も無視して、ロケット開発を続けることができた。

堀江氏は、「炎上を怖れないメンタルが強い人」と思われていますが、
私はそうではないと思います。

メンタルが強いのではなく、「ビジョン」が強いのです。

「炎上をものともしない、強烈なビジョンを持っている人」

強烈なビジョン。確固たる信念があれば、
誹謗、中傷、横槍も「些細な雑音」にしかすぎない。
気にするのもバカらしいと思えてくるでしょう。

堀江氏といえば、
「空気を読まない毒のある発言をする人」という
イメージがあります。

ところが、彼の本を読むと、
「全くその通り!」という
極めて常識的なことしか書かれていない、
というのが私の感想。

ただ他な人が、同じものを読んで「非常識」と思うかもしれません。

堀江氏の発言は、全て次の時代、新しい時代を見据えて発言されているのです。

インターネットが普及し、知識や情報が一瞬で共有される時代。

働き方も考え方も、生き方も全て変わるべきなのに、
10年前、20年前と同じ価値観の人がほとんど。
さらに、その古い価値観を他人に強要しようとするから厄介です。

昭和世代に限らず、
他人の「チャレンジを妨げる病」の若者も同じこと。

テクノロジーは、全く新しくなっているのに、
古臭い考え方の人たちが、日本という国の足を引っ張っている。

そこに、現れた堀江氏、「新時代の常識」を
フツーに語っているだけなのに、
「古い価値観」の人たちは自己存在を完全に否定されるので
カチンと来る。バッシングせずにはいられないのです。

新時代的な感覚を持っている人にとっては、
彼の発言も行動も「当たり前」のものとして受け入れられる。
あるいは、受け入れられるようになっていくでしょう。

堀江氏は、
心理学でいうところの「アウトロー」元型に
当てはまるでしょう。

自分の価値観やビジョンをしっかりと持っているが、
それが現在の法に当てはまらないので、
「違法者」としてバッシングされ、ときに裁かれる。

映画でいえば、『カサブランカ』のハンフリー・ボガード演じるリックや
『スター・ウォーズ』のハリソン・フォード演じるハン・ソロがそうです。
わが道を進む。命をかけて自分の道を貫くのでカッコいいのです。

アウトローも時代が変われば、
それが「合法」になることもありえます。

堀江氏の奇抜な発言も、近い将来は「当たり前」「常識」になる日も
来るでしょう。

もし来ないとしたら、日本はかなり危機的な状態でしょう。

「古い価値観」から脱せない、
「変われない病」を克服できないということですから。

ということで、アウトロー、堀江貴文氏には、
今後もドンドン、炎上を巻き起こし、時代を動かして欲しいと思います。

堀江氏の「ありかた」をよく理解できる一冊。

『自分のことだけ考える。: 無駄なものにふりまわされないメンタル術』
(堀江貴文著、ポプラ社)

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