書評/映画評

認知症の世界の歩き方 ~記憶が失われると、なぜ不安になる?

2021年は、本の執筆に時間をとられて、
読んだ本の感想、紹介を書く暇がありませんでした。

2022年は。
本の書評、100本を更新しようと思います。

2022年を記念すべき、最初の本の紹介は・・・

●「認知症の世界の歩き方」(筧裕介著、ライツ社)

メンタル疾患の患者さんが、
どんな気持ちでどのように世界を見ているのか。
それはなってみないとわからないと言う部分があります。

でも、病気になってしまっては、手遅れです。

メンタル疾患の患者さんが生きる世界は、
完全に未知の世界です。

認知症においては、
その主要症状は「記憶障害」と一言で表されるものの、
実際に「記憶がなくなる」と
どのような不安や恐怖を感じるのでしょうか? 

本書は認知症の患者さんが、
世界をどのように見て、どのように感じているのかを、
「地球の歩き方」のような、
海外旅行ガイドブック的な画期的な構成デザインによって
極めてわかりやすく解説した一冊です。

本書にはユーモアもあって、気楽に読めるところもいいですね。

本書の特徴は、医者や医療関係者が執筆したものではなく、
慶應義塾大学大学院特任教授。デザインの専門家が、
当事者(認知症患者)へのインタビューをもとに作った本ということ。

医学的な「症状」や「診断」というものをゼロベースにリセットした上で、
患者の「語り」をまとめ、整理して再構成。当事者が実際にどう体験し、
どう世界を認識してるかということを徹底的に掘り下げた、
今までありそうでなかった一冊なのです。

ある意味、とことん「患者さんの体験」に寄り添ったからこそ、
出来上がった本です。

メンタル疾患患者の「認知」や「症状」を
ここまでわかりやすく伝えられるというのは、
ある意味、革命です。

この本は、将来認知症になるかもしれない
私たち、一人一人に役立つことは当然として。
現在、認知症の介護に苦しむ「家族」や
認知症の介護に日々苦労している「介護士」の方にも
福音となるでしょう。

例えば、認知症の方が、夜中に大騒ぎをする!

「なぜ、そんな大騒ぎをするの?」という疑問が、
この本を読めば、
「そういうことなら不安になるよね」と
患者の気持ちに寄り添うことができるのです。。

また、「誰かに打ち明ける」とか「頼れる仲間を作る」
といった、介護者や家族向けの「対処法」が書かれているところも
良いですね。

また、本書読んでいると、自分の親が認知症にかかったときも、
すぐに気づけるはずです。

ということで、
認知症の介護をしている人。
認知症に関わる医療関係者、コメディカル。
認知症について関心のある人。
自分の親が高齢の人。

などに、強くお勧めしたい一冊。

「認知症の世界の歩き方」
(筧裕介著、ライツ社)

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