映画『犬が島』がおもしろい!
正確に言うと、「ワクワクする映画」。
見ていて、こんなにワクワクする映画は、そんなにない。
これが、「映画」だ!
今まで見たこともないものを見せる。
斬新な映像体験ができる。
これは、映画以外にはできないこと。
近年、猛烈に進化するCG技術によって、
どんな映像でも実現可能になっているからこそ、
観客もCGに飽きているし、慣れっこになっている。
そんな矢先の、手作り感満載のストップモーションアニメは、
「見たこともない映像世界」を作り上げるツールとして、
すごい必然性を感じた。
ワクワクしたというのは、黒沢明監督の時代劇をよく研究している。
熱烈な黒沢ファンであるウェス・アンダーソン監督だけあって、
黒沢活劇のワクワク感が、ものすごい精度で再現されている。
そして、時に西部劇であったり、
『マッドマックス』や『マトリックス』の近未来SF映画であったり、
ワクワクする映画をよく研究している。
映画ファンであるほど、
このワクワク感が共有でき、映画が楽しめるはず。
そして、声優陣が豪華すぎ。
エドワード・ノートン
ビル・マーレイ
ジェフ・ゴールドブラム
スカーレット・ヨハンソン
とありえないメンバーがそろっている。
見ていて、本当に映画好きが集まって映画を作っているんだなということが、
ひしひしと伝わってきて、悲しいシーンでもないのに涙が流れてきた。
映画愛のある映画オタクって、まだまだいるんだなあ、と。
そう、学生の頃、ワクワクしながら『七人の侍』を見たあの瞬間が、
そしてその感動がよみがえる。
ウェス・アンダーソン監督も間違いなく同じ体験をしているよね。
そんな「共感」。
「作り手」と「観客」の、時代を越えた邂逅。
映画ファンほど楽しめる映画。
あなたが、映画ファンであるなら、是非、見ていただきたい。
樺沢の評価 ★★★★☆ 4・5(★5つが満点)
追伸
普段、あまり映画を見ない方。
『アベンジャーズ』がおもしろい!という方。
黒沢映画とか見たことない、という方には、お勧めしません。