書評/映画評

ひゃくえむ。 ~あなたは、人生を賭けるべきものを持っていますか?

『チ。 地球の運動について』の漫画家・魚豊の
連載デビュー作で、陸上競技の世界で「100メートル」
という一瞬の輝きに魅せられた者たちの
狂気と情熱を描いた作品。
 
私は『チ。』は、ここ1年で見たアニメの中で、
一番おもしろかった作品で、激しくハマった作品
だっので、本作は気になっていました。
 
魚豊は、深掘りの天才!
“「100メートル」を走る”というテーマで、
ここまで深掘りできたのは凄い。

 
そして、
「狂気」やネガティブな感情を描くのがうまい!
 
第一線で活躍するトップランナーや勝者が、
達成感を得られずに空虚感にとらわれていく様は、
実際のアスリートもそうなのだろうと思わせる
凄いリアリティがある。
 
そして、『チ。』もそうですが、
名言集か、というくらい
刺さる言葉が次から次へと出てきます。
 
「言葉」の重さ、重要性も、
本作の重要な鍵で、それは『チ。』にも続いていく。
 
本作で、小宮がたった一言のアドバイスを得て、
それまで超えられなかった壁を、
たやすく超えていくシーンは、感動もの。
 
最後まで見て思うのは、
陸上の「100メートル走」を深掘りして描いて
いますが、別に「100メートル走」じゃなくてもいいのです。

 
自分にとっても熱中し没入し、
一生をかけて取り組むべきこと、や仕事。
全てに当てはまるのです。

例えば、私の場合は「情報発信」です。
 
「なぜ、走るのですか?」という問いが
何度も出てきますが、
それは私たちに対して、
「なぜ、その仕事をしているのか?」
と問われているようでもあります。
 
問題意識を持って、
あがきながら生きている人には、
この命懸けの、つばぜり合いの世界に、
ものすごく共感できるはず。
 
トガシの声優は、松坂桃李。
小宮の声優は、染谷将太。
  
アニメの声優を、俳優がやると、
失敗する場合が多いですが、
本作はかなりハマっている、と思いました。
顔も似てるんですよ。
 
『チ。』でオグジーの声優だった津田健次郎が、
海棠役で圧倒的な存在感をはなっていました。
 
100メートルを走るシーンも、
退屈させずに、迫力を持って描いているのも、
引き込まれます。

本作から、何を感じるのか。
人によって様々でしょうが、
私は「たいへんなことを続けていくには、仲間が必要」
ということを、改めて思いました。

 
エンタメ、というよりは、硬派な心理劇。
お勧めです。

『ひゃくえむ。』樺沢の評価は・・・・・・★★★★☆ (4・6)

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コメント

  1. ざき より:

    樺沢先生のこちらのブログで紹介されていて、自分もムビチケ買ってたので、楽しみと期待もしていたのですが、まさかここまで面白くじっくり人の生き様が描かれているとは。
    できれば、世界陸上の前に見たかったです。
    映画のスラムダンクを見てから、日本のバスケの見方が深くなったように、リレーとか世陸もっと楽しめたなぁって(泣)
    自分がジムでランや筋トレをしてるからかもしれませんが、ネットで生きてる楽しみは得られるかもしれませんが、ネットでは生きてる実感は得にくく、やはりアナログな活動で得るものだなぁと思いました。

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