書評/映画評

スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣 ~睡眠について深く学ぶ

私の専門の一つは「睡眠」ということもあって、
睡眠の情報をたくさん発信している都合、
睡眠についての本は、ほとんど読んでいます。

本書は、ベストセラーとなった
『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)の著者であり
スタンフォード大学医学部精神科教授、
同大学睡眠生体リズム研究所所長の西野精治氏の
新刊が出た、ということですぐに注文し、読んでみました。

この本を一言で言うと、「最強コスパの睡眠本」。

新書なので900円とお手頃な値段でありながら、
286ページとボリュームはあり、
睡眠に関する基本的な知識、
そしてグッスリ眠る方法、
睡眠障害の対処法と睡眠薬の使い方まで、
全てのビジネスマンが知っておきたい「睡眠常識」が
わかりやすく、網羅的に紹介されています。

私が読んでおもしろいと思った一節を引用すると

#ショートスリーパーになるには、ショートスリーパーの遺伝子を持っていることが
必要でその遺伝子を持っていない人が、ショートスリーパーになることはできない。
ちなみに、ショートスリーパーの遺伝子を持っている人は、全体の1%未満

#眠育(睡眠教育)によって、学校不適応、不登校、情緒障害などが
明らかに減少。特に不登校は、3年で30%も減った。

#寝たいだけ寝ても睡眠不足解消には3週間かかる。

#10年後の死亡率が最も低かった睡眠時間は・・・7時間

#睡眠時間が適正値に近くなると、目覚めの気持ちよさや日中のパフォーマンスの
向上を実感できるようになる。

#光、食事、運動で睡眠のリズムを調整できる。

#睡眠量が足りていないとうつ病の発症リスクが3倍も増える。

#寝ていない人は見た目(外見的魅力)も悪くなる

#子供の睡眠不足は発達障害の原因になるかもしれない。

#「軽い昼寝」で、認知症発症率は7分の1

#寝具は「通気性」で選ぶといい

#日本は夜の照明が明るすぎる。

などなど、睡眠に関する興味深い話題が目白押し。

そして、スタンフォード大学教授が書いているということもあり、
科学的根拠がしっかりと書かれています。

巻末の「引用文献」が、非常に充実していて、
155本の書籍と論文が引用されていました。

ここまで引用元がしっかりと明記されている本は少なく、
資料としての価値もあります。

ということで、科学的に裏付けられた睡眠の知識を身に着けたい。
グッスリと眠って仕事のパフォーマンスを高めたい、
という人にはお勧めの一冊と言えます。

『スタンフォード大学教授が教える 熟睡の習慣』
(西野精治著、PHP研究所)
https://amzn.to/2S6Jxch

【表紙】感情リセット

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