書評/映画評

店長の一流、二流、三流 〜 バイト、社員が辞めるのは誰のせい?

以前、飲食店経営をしている友人が言っていました。

 

「バイトの子を少し厳しく叱ったら、次の日から来なくなっちゃった。
今どきの若い子はなっていないね!」

 

この言葉、あなたはどう思いますか?

 

確かに、このバイトの子にも問題はあるかもしれませんが、
それを採用し、指導してきた管理者の責任も、
間違いなくあるはずです。

 

最近、「今どきの若い子は、すぐに辞める」という話をよくききますが、
「辞められる側」にも、問題があるのです。

 

そこに全く気づいていないとしたら、
かなり大変なことになるでしょう。

 

アルバイトを雇って、基本を叩き込んでも、すぐに辞められる。

 

優秀なスタッフは育たないし、新人を教育するスタッフの
時間と労力も無駄。

 

永久にそれを繰り返すことになります。

 

今の時代、よっぽどの大手企業でもない限り、
優秀な人材を採用することはできません。

 

「普通の人材」「ボチボチの人材」を採用して、
「優秀なスタッフ」に育成するのが、
店長、経営者、管理職、リーダーの役割なのです。

 

先の「今どきの若い子は、すぐに辞める」と考える人は、
「人材育成」という発想が完全に欠けているのです。

 

アルバイトや社員がすぐに辞めてしまう。
アルバイトや社員が、思うように動いてくれない。

そんな悩みを持っている、
店長、経営者、管理職、リーダーに読んでほしいのが、

『店長の一流、二流、三流』
(岡本文宏著、明日香出版社)
https://amzn.to/2ue0Nph

です。

 

この本には、人材育成のヒントが満載です。

 

例えば、「叱り方」については、

三流は、自分の感情の赴くまま怒り、
二流は、嫌われるのを覚悟して叱り、
一流は、タイミングとフォローに気を配って叱る。

 

「任せ方」については、

三流は、自分でやったほうが早く安心と思い、
二流は、できる仕事だけを任せ、
一流は、難しい仕事を結果が出るまで任せきる。

 

「学生アルバイト」については、

三流は、学生だからと線引きして期待せず、
二流は、誰でもできる仕事を割り振り、
一流は、重要なパートナーとしてとらえる。

 

このように、

三流は、
二流は、
一流は、

のフォーマットで書かれているので、

「悪い人材育成」と「良い人材育成」の違いが、
歴然とわかります。

 

1項目4ページ構成になっているので、読みやすく、理解しやすい。
明日香出版らしい一冊です。

 

タイトルは、『店長の一流、二流、三流』となっていますが、
「店長」に限らず、経営者、管理職、リーダーなど、
部下を指導する立場の人、人材育成に関わる全ての人に
ヒントが得られる本になっています。

 

著者のビジネスコーチ・岡本文宏さんは、
元セブンイレブン経営者。

 

自らオーナー兼店長として、
「アルバイトが次々辞めていく!」
「アルバイトが長続きしない!」問題に直面。

 

アルバイト不足から、店長自らがレジに立ち、
一日3時間睡眠の日が続いたそうです。

 

そんな生きるか死ぬかの限界状況の中、
「アルバイトが次々辞めていく理由は何か?」を
徹底して考えた結果、
「辞めない人材を育成する」ことが重要だと気づき、
本書のノウハウに行き着いたそうです。

 

自らの限界状況での試行錯誤が生み出した、
実践的な人材育成ノウハウは、迫力があります。

 

部下の育成、バイトの育成、人材育成で困っている人には、
非常に役立つ一冊と言えるでしょう。

 

『店長の一流、二流、三流』
(岡本文宏著、明日香出版社)
https://amzn.to/2ue0Nph

 


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